どうして利息は契約通り払わなきゃいけないの?早期返済の落とし穴!!

Aさんは産業廃棄物を取扱う会社に大学卒業後、長年勤めていましたが、独立してAさん自身で産業廃棄物を取扱う会社Bを立ち上げました。

写真⑨(産業廃棄物) (1)

AさんはB立ち上げ時に、事業資金をローン会社Cから200万円を借入れる契約をしました。

利息は1年当り10%で、返済期限は借入後2年という契約でした。

Bは、Aさんの経営方針がお客さんのニーズにあっていたようで、収益率も高く最初に考えていた以上に順調に利益を伸ばすことができました。

そのためCからの借入金も予定より早く返すことができる状況になりました。

写真⑩(事業資金融資)

ということで、AさんはCにたいして借入後1年で200万円の元金全額と1年分の利息を支払って完全返済しょうと思い、Cにその話をしました。

そうするとCは

「早く返済していただくのは歓迎しますが、利息は初めの契約通り(約束通り)2年分いただきますよ」と言ってきました。

CはAさんからの利息をCの社員の給料の一部に充当しようと考えていたようです

Aさんは、Cに対して利息は1年分にしてほしいと何度も交渉をしましたが、Cは受け入れてくれません。

2年分の利息を支払わなければならないのでしょうか?

Ⅰ.借金の返済期間を期日より早くする借りた人(債務者)の行動問題ありません。

返済を早くすることは借りた人の自由です。

Ⅱ.契約通りに借りた人(債務者)が行動してくれると貸した人(債権者)が期待すること。

問題ありません。契約通りに借りた人(債務者)から利息をもらうことは
  当然です。

Ⅲ.民法の条文の解釈

民法136条の規定によると、期限は、債務者の利益のために定めたものと推定する。

期限の利益は、放棄することができる。ただし、これによって相手方の利益を害することはできない。

この条文に書かれている、「期限の利益とは」、期限が来るまでは契約内容に定められている債務の履行を行わなくてもかまわないということを意味しています

債務者は自分の都合で、自分に課せられている債務を期日までは果たさなくてもよいというものです。

したがって、換言すれば、自分に課せられている債務を早く行うことは自由ということにもなります。

このように債務者の自由を認めながらも、債権者が債務者から受けることができる利益を否定することはできないと規定しています。

要するに債務者は自分の都合で、自分に課せられている債務を期日より早く行うことは自由でありますが、相手方である債権者の利益を損なうことはできないというふうに規定されています。

この事例にあてはめて考えると・・

Aさんは、借入金の返済時期を早めることはAさんの自由なので、問題ありません。

また、Cは契約通りの利息の支払いを受ける権利があります。

Aさんは、相手方の権利である利息を受取るという利益を損なうことはできません。

したがって、Aさんは、Cに対して元金200万円を借入後1年で返済することはできますが、利息については、1年分ではなく、契約通りの2年分の支払をしなければなりません。

全体的に見ると、債務者の自由な行動を許すかたわら、債権者の権利の行使を保証するバランスのとれた解釈をして、債務者と債権者の両方の立場に立って均等な判断をされている規定です。

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