本人の希望による部署異動で病気になった!会社をやめさせることはできるの?

小川さんはABC社に長年勤務しています。

ABC社の事業部は、製造部と販売・営業部に分かれています。

それぞれの部内では配置転換が定期的に行われていますが、製造部と販売・営業部の間では入社後数年はあるものの、10年を超えると部を越えての配置転換が行われることはほとんどありません。

小川さんは入社して16年間、製造部に勤務し、工場で毎日若手の育成にも関わりながら職人のプライドを持って仕事をしてきました。

そんな小川さんですが、長年の仕事が祟ったのか手首を痛めてしまい、通院をするも「同じ仕事を続けるのなら、治すのは難しい。」と医師から言われてしまいました。

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最近身体的にも精神的にも辛く、欠勤することから給料も上がらず、これ以上、手に負担をかけると生活にも影響してきそう。

体の負担が少ないと思われる販売・営業部に配置転換を希望しました。

今までの仕事は無理!配置転換を希望

しかし、小川さんは内向的で、あまり人と接するのが得意ではありません。

自分でも営業は向いていないと思っていますし、会社の人事の方でも小川さんは不向きではないかと考え、製造部の部長に小川さんの希望には添えないことを伝えたのでした。

しかし、小川さんはあきらめず、毎日のように人事部に足を運びました。

そして、販売・営業部に異動になったのでした。

本人の希望していた部署に配属・・・

異動になった小川さん、やはり営業はその性格と未経験のためうまくいきません。

会社としても全くの素人である小川さんをフォローするよう営業部にも伝えており、厳しいノルマを与えないように注意していました。

入社して年数的には既にベテランの域であり、その小川さんに一から営業のノウハウを教えなければならないということに回りにも戸惑いがありました。

また、小川さんも自分の方から積極的に周囲に溶け込み、他の人に質問したり相談したりということがなかったようです。

営業の仕事は自社の製品を売るために他社製品との違いを知るなど、日々勉強しなければならないことも多く、勉強会も度々行われていました。

小川さんはそれにもついていけなかったのです。

会社としては、小川さんを元の製造部に戻した方がいいのではないかと考えていますが、小川さんの希望での異動であり、今戻しても、小川さんが戻りづらいのではないかと考え・・・

小川さんにさらなる努力をするように促したのでした。

そんなある日、小川さんは急に起きられなくなりました。

仕事に来なくなり、うつ病と診断される

仕事を休み続けて10日。病院で「うつ病」の診断を受けました。

しばらく会社を休むことになった小川さんですが、しかし、ずっとこのままの状態でいることは望ましくないと会社は考えています。

対策をしなくてはならない会社サイド

職場の仕事は昇進なども含め、配置転換などによって変化してきます。

おそらく多くの方が経験されていると思いますが、仕事内容の変化というのはかなり精神的な負担になります。

小川さんは、おそらく「自分で希望してきたんだから、もっと頑張れよ。」と同僚から思われていたでしょうし、小川さん自身も希望してきた以上、このままでは終れないという気持ちだったかもしれませんね。

本人の希望が本人の適正にあっていれば何の問題にもならないのですが、時々こうしたことが起こります。

会社側の人事ミスであり、適正がないことを会社が認めれば、すぐに配置転換などの対応ができるのでしょうが、今回の小川さんのようなケースでは難しいものがあります。

会社はどうしたらいいの?

では、どうしたらいいのか?

結果から言うと、配置転換が本人の希望であったとしても十分なフォローをするということです。

もちろん、本人が元の製造部に戻してほしいというのであればそうすることは可能でしょう。

今回のケースでは会社側としては

「小川さんをフォローするよう営業部にも伝え」
「厳しいノルマを与えないように注意」

していました。

異動が本人の希望である多くの場合、なかなかこういった支援が行われず、小川さんのように心身の健康を害したり、自殺に至るといったケースもあるんです。

今回は小川さん、こちらのお仕事に向いていなかったかもしれません。

とはいえ、その点を割り引いたとしても、会社が本当に小川さんの支援を十分に行っていたかということは問題だと思います。

まず、

ほぼ素人である小川さんが営業職を行うために

  • 必要な知識を学ぶ機会を与える支援が行われていたか?
  • 実際にその仕事が軌道に乗るまでの支援
  • ノルマの設定を緩やかにするなどの支援

が行われていたかなどです。

小川さんはおそらく、自分の希望で営業を含む職場に異動してきたものの、自分の考えていた以上のものを求められ、成績を上げることができず、病気になったものと考えられます。

今回、会社としても全く何もしていなかったわけではありません。

内向的な性格で、積極的に皆の中に入れなかった小川さんにも問題があるように見えますが。

しかし、年齢的にベテランの域にあるからといって戸惑いからノウハウを教えるのを躊躇したり、勉強会についていけないまま放置していたり、というのは会社としても責任を問われます。

余談・・・昇進について

余談になりますが、小川さんのケースとは別に、先にも述べた「昇進」というものもあります。

「昇進は喜ばしいもの」と思われがちで、本人にとって過重な職責を負わせているケースもあるようです。

昇進も心理的負担になりやすく、昇進すると職責の増大が見込まれます。

会社としても、勤務時間のチェックを行い、残業が長時間に及ぶなどの場合、必要な措置を行い、過重労働にならないように気をつけなければなりません。

こちらにも配慮が必要ですね。

今回の小川さんのケースですが、「しっかり支援をしてください」というのは会社にとって厳しい要求かもしれません。

でも、ちょっと考えてみてください。

小川さんが営業先で失敗したとしたら、それはもちろん小川さんの失敗ではありますが、会社の失敗とは言えないでしょうか。

社員一人ひとりの業務はすべて会社の業務なのです。

ですから社員の教育はしっかり行い、足りないところはフォローし再教育を行うことは必要になります。

もちろん、本人の努力が必要なのは言うまでもありませんが。

今後会社の対策

今後小川さんが営業に残るのであれば、しっかりしたフォローが必要でしょう。

毎日販売・営業部に配置転換を求めて人事部に通い続けた熱意を思うと頑張れるのではないかと私は思います。

小川さんとよく話し合い、双方納得のいく結果を出さないといけませんね。

しかし、「あなたはここに向かいないから病気になったんだ。辞めてくれないか。」などと退職を勧奨するなどの行為は違法です。

いい方向で解決することを祈っています。

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