働いた分の給料を支払ってもらえない!給料を支払ってもらうにはどうしたらいいの?給料未払いの場合の対処法 | ウルトラ弁護士ガイド
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- 何度連絡しても払ってもらえない
- 勝手な都合で急にやめたことを理由に給料を払ってくれない
- 経営の資金繰りが苦しいという理由で払ってくれない
- 自己都合の欠勤や繁忙期に出勤しなかったことを理由に払ってもらえない
- 勤務態度が悪いとクビにされたことを理由に払ってもらえない
- 勤務先が倒産してしまってもらえない
会社側の経営不振や独自の理由によって給料を受け取れずにいる、という給料未払いトラブルは少なくありません。
働いた分の給料を支払ってもらえない、なんて納得がいきません。
給料をあてにして生活をしているわけですから、困ってしまいます。
ただ、単に請求しているだけでは、「明日払う」とか「来月分と一緒に払うと」などとはぐらかされてしまい、いつまでたっても払ってもらえません。
場合によっては、「払う必要がない」などと言われている方もいるでしょう。
給料の未払いについて説明をしていきます。
目次
いつまでもたっても払ってくれない!私の場合はどうなるの?
どんな理由があろうと、働いた分についてはもらう権利があります。
勝手にやめた場合、クビにされた場合、経営不振による場合でも関係ありません。
また、自分に至らない点があって、未払いになりそうな理由があったとしても同様です。
例えば、
遅刻、欠勤が多かった
勝手に出社しなくなった、辞め方が悪かった
急に辞めてしまった
トラブルがあった
などなど・・・。
これらは給料を払わない理由にはなりません。
どんな理由があろうと働いた分はもらえるんです。
会社側は、それなりの理由があっても、独自の判断で支払いを拒否することなんてできません。
例えば、
仮に、従業員のトラブルや迷惑行為が原因で会社側が損害を被った場合。
会社側はそれを給与の支払いと相殺することはできません。
会社側は、別で労働者に対して損害賠償をすればいいわけですから。
働いた分については、会社側は支払うのが原則です。
参考ページ:不当解雇について相談をしたい方必見!自分の場合はどうなるの?
どうすれば支払ってもらえるの?未払い給料の請求方法
給料の未払い分がある場合
- 会社は支払いを拒否できないこと
- もらえる権利があること
上記を会社に説明して請求してください。
この時点で会社側が応じてくれれば解決できます。
しかし、「支払う必要がない」と間違えた認識をもっていたり、「払える資金がない」ということを理由にしてくることもあります。
この場合には、一筋縄ではいかないでしょう。
こういった場合にはどうしたら良いか?
認識の違いが理由の場合
双方の主張が違う場合、どのような認識の違いがあるのかがポイントとなります。
例えば、
勤務態度や無断欠勤、自己都合で辞めたことを理由に払う必要がないと思っている
勤務態度や無断欠勤、自己都合で辞めたことを理由で給料の一部だけを払えばいいと思っている
まずは、感情的にならず、「なぜ払ってくれないのか?」の理由を確認してみてください。
そのうえで自分の主張をしましょう。
タイムカードなどの証拠も提示して、理論的に請求してください。
ただ、それでもなお支払いに応じてくれないこともあります。
その場合には、全国労働基準監督署へ相談してください。
労基署からの注意・勧告によって、会社側が応じてくれるケースも少なくありません。
労基署に相談してもなお解決が図れない場合には、法的に解決することを検討しなくてはいけません。
法的に解決する方法は?労働審判の活用
法的に解決する手段としては、支払い督促や少額訴訟(60万円以下の場合)、通常訴訟、紛争調整委員会のあっせんなどがありますが、「労働審判」がオススメです。
通常訴訟では、どうしても弁護士が必要となり、弁護士費用が数十万円とかかってしまいます。
解決までの期間も、半年から1年以上と長くなるのが通常です。
一方、少額訴訟は1回で終わるという点では魅力的ですが、たった1回ということが場合によっては不利になってしまうこともあります。
なぜなら、被告(勤め先)は、「払わないなんてことは言っていない」などと言い逃れや嘘の主張をして終わらせてしまうことができるからです。
そうしなかっとしても、被告の意向で通常訴訟にもっていくこともできてしまいます。
なお、少額訴訟は、原告の意向では通常裁判には持っていけません。
原告(あなた)は、1度限りの裁判で自分に有利な判決を得るには、きちんと事実内容を 訴えかけ、証拠を揃えて証明しないといけません。
それができずにもしも通常訴訟となれば、費用や時間がかかることになってしまいます。
手続き的には簡単に利用できるのが少額訴訟ですが、通常訴訟よりも証拠等をきちんと揃え、隙のない主張が書かれている訴状を作成する必要があるのです。
支払い督促も手続きだけをみれば簡単ですが、相手が異議を申し立てれば通常裁判へと移行します。
通常裁判になれば、同様に費用や時間がかかってきます。
その点、労働審判は審理が3回あり、80%程度がこの3回の審理で解決されているというデータもあります。
もちろん証拠の提示や書面は必要となりますが、それよりも口頭での主張が重要とされているので、個人でやる場合には少額訴訟よりも有利に進められます。
3回の審理で解決できなければ、通常訴訟への移行も可能です。
給料未払い等を含む労働問題では、他にも都道府県労働局紛争調整委員会のあっせん制度などの利用もできますが、労働審判のほうが倍近くの解決率になっています。
申立件数も年々増えていることから、他の紛争解決手段よりもオススメできる制度です。
会社側に給料を支払える余裕がない場合にはどうしたらいいの?未払い賃金の立替制度を利用する
独立行政法人労働者健康福祉機構による、未払賃金の立替払制度というのがあります。
会社(中小企業)が事実上の倒産状態で、2万円以上の未払賃金がある場合にはこの制度が利用できる可能性があります。
なお、事実上の倒産とは、
①事業活動が停止し、②再開する見込みがなく、③賃金支払能力がない
状態のことをいい、労働基準監督署が事実上の倒産と認めた場合です。
まずは、この制度が利用できるかどうかを検討してください。
利用できれば、「給料を支払える余裕がない」と会社に言われた場合でも、最大で8割程度の未払い給料を得ることができます。
正社員だけでなく、パートやアルバイトも利用できます。
次に、立替払い制度が利用できない場合ですが、会社に対して請求するしかありません。
「払ってください」と請求するのはもちろんですが、タイムカードなどの証拠を提示して、理論的に伝えましょう。
それでも応じてくれない場合には、すでに会社側とは交渉した事実をを文書にして、労基署へ相談してください。
注意しなければならないのは、労基署が注意勧告などをしたとしても、支払ってくれない場合もあるということです。
お金がないところから取ることはできません。
もしも、会社側に財産があるとか資金を隠し持っているなど、支払える可能性があるなら 法的に解決する方法は?を参考にしてください。
倒産が原因で未払いの場合にはどうしたらいいの?
会社が倒産してしまった場合には、独立行政法人労働者健康福祉機構による、未払賃金の立替払制度の利用ができます。
会社(中小企業)が、法律上の倒産または事実上の倒産状態となっていれば、未払い分の給料を労働者福祉機構に申請することができます(2万円以上の未払賃金がある場合)。
受け取れる金額の上限や手続きについてなど、詳しくは労働者健康福祉機構で確認してください。
給料の支払いが遅れた場合には遅延損害金も請求できる!
給料が支払われない場合、本来受け取れる日の翌日から遅れている期間についての利息も請求することができます。
これを遅延損害金といいます。
既に退職している場合には、年利14.6%、在職している場合には年利6%の請求ができます。
例)毎月15日が給料日となっている場合
16日から遅延損害金をつけることができます。
参考ページ :勤務先に退職金を払ってもらえない!請求方法は?
まとめ〜働いた分の給料はどんな理由があったとしてももらえる!
給料は、どんな理由があったとしても、働いた分はもらえます。
一方、会社側は、労働者が働いた分を支払わなければいけません。
それなのに給料が未払いとなる原因は、勤め先側の勝手な都合です。
もっと言えば、結局のところ勤め先側が給料の未払いを軽く考えていたり、支払う必要がないと勘違いしていることに問題があります。
その考えや勘違いを正してあげないことには解決が難しいのです。
「請求しづらい」という気持ちはよく分かりますが、それではなかなか支払ってもらうことはできません。
大事
堂々と請求をして、きっちり回収しましょう!
参考ページ:地域の相談窓口