家賃の支払いが遅れた場合やすぐには払えない場合の対処〜大家さんや管理会社へまずは相談!家賃を滞納しまうとどうなるの?| ウルトラ弁護士ガイド

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家賃を滞納

家賃を滞納するのはダメです。

しかし、何かの事情で滞納せざるをえない場合もあります。

例えば、長期の旅行や仕事での急な出張など、うっかり家賃の支払いを忘れてしまう事もあると思います。

収入が減ったなど、家計の状況が変化して滞納することになっているケースもあるでしょう。

家賃を滞納してしまったら、どうなるか知っていますか?

それぞれの状況ごとに紹介していきます。

また、滞納した場合の解決策についてもお伝えしていきます。

払えるお金はあるけどうっかり忘れてしまった場合

大事

うっかり!支払いを忘れてしまった場合、気づいた時点ですぐに大家さんに連絡しましょう。

そして遅れた理由を説明し、「いついつに支払う」と伝えれば、殆どの場合はすんなり了承してくれるはずです。

ただ、中には一癖も二癖もある大家さんもいるかもしれません。

契約書どおりに遅延損害金を求めてくるケースもあります。

因みに、遅延損害金とは、簡単に言えば約束を忘れた場合のペナルティです。

アパートやマンションを借りる際、賃貸借契約書を取り交わしていると思いますが、そこには当然に家賃の支払い期日が記載されています。

そして、その支払い期日を守らなければいけません。

支払い期日に遅れ、義務を果たせなかった場合、法律的には「債務不履行」となります。

家賃を滞納した場合には債務不履行になる

債務不履行については民法第419条に定められています。

民法第419条

金銭の給付を目的とする債務の不履行については、その損害賠償の額は、法定利率によって定める。

ただし、約定利率が法定利率を超えるときは、約定利率による。

つまり、債務不履行により、損害賠償を負うことになるのです。

たったの1か月分だけ遅れてしまった場合でも?と思われるでしょう。

たった1か月だとしても、当然に支払いの義務は発生します。

ちょっと心ない大家のような気もしますが、請求されてしまう事もあるのです。

なお、遅延損害金の金額ですが、お持ちの賃貸借契約書をチェックしてみましょう。

そこに遅延損害金についての記載があれば、そのとおりに計算した金額となります。

また、特に記載がない場合、民法404条に従う事になります。

民法第404条

利息を生ずべき債権について別段の意思表示がないときは、その利率は、年五分とする。

つまり、例えば家賃が10万円でで一カ月(31日)滞納した場合。

遅延損害金=家賃10万円×年率5%×滞納31日÷365日=424.65…円。

家賃にプラスして425円を支払う義務があります。

うっかりだったとしても、家賃を滞納してしまう事は約束を守らなかったことになります。

あなたと大家との信頼関係が崩れる原因にもなりますので、気を付けましょう!

払うお金がなくて滞納〜すぐには払えない場合

  • 払いたくても払えない!
  • 失業してしまった…、
  • 出費が重なり家賃分が手元にない…、
  • 収入が減った…など。

このような場合、すぐには支払えない状況だと思います。

いくつか対処方法を紹介していきます。

1.大家さんや管理会社へ相談してみる

色々な状況があるかと思いますが、いつ支払えるか自分でもわからない…、そんな状況でもまずは連絡しましょう!

きちんと連絡をして信頼関係を築いておけば、貸主(大家)側は賃料不払いだけをもってすぐに賃貸借契約を解除する事ができないとされた判例があるのです。

なお、不払い期間についての明確な基準はなく、最終的には裁判所の判断となりますが、過去には、7か月分の滞納があっても解除を認めなかった判例もあります(神戸地裁 昭和30年1月26日判決)。

その際のポイントが、「信頼関係」です。

信頼関係が破壊されていなければ、貸主(大家)側からの急な賃貸借契約の解除は認められないとの事でした。

仮にお金の目途がつかず、明確な支払い日を伝える事ができない場合でも、大家さんには事情を説明し、連絡を入れておきましょう。

なお、そのまま連絡を入れず滞納を継続した場合、裁判沙汰となり、訴えられる可能性は十分にあります。

まずは、早い段階で貸主(大家)に連絡し、相談することが重要です!

2.大家さんと支払いについて交渉する

滞納分の全額を支払えなくても、一部なら支払えるという場合もあるでしょう。

このような場合、少しでも支払って、誠意をみせましょう。

また、一部でも支払いがあるうちは、貸主もすぐに明け渡しを求めるような事はほとんどしません。

そして、残りの滞納分については、無理のない範囲で支払っていく、という交渉をして下さい。

こんな事が貸主に通用するのか?と思われる事でしょうが、実際には通用します!

というのも、裁判となれば、貸主側にも時間とお金の負担がかかります。

貸主側にしてみれば、「出来れば、裁判にしたくない」というのが本音です。

ですから、少しずつでも滞納分を支払って下さい。

貸主側は文句を言うかもしれません。

しかし、渋々と事情を汲んでくれる事が多くありますので、支払いの交渉はするべきでしょう。

滞納分も先の家賃も払えない場合にはどうなるの?

「もうどうにもこうにも家賃が支払えない!どうにもならない場合」です。

賃貸借契約では、連帯保証人を付ける事が殆どです。

あなたに支払いの資力がないとされた場合、連帯保証人へ連絡がいきます。

連帯保証人にはすぐに連絡をしておきましょう。

参考ページ:父親の連帯保証債務で大慌て!連帯保証人の支払いの義務やリスクとは?

なお、保証会社が連帯保証人となっている場合もあります。

この場合、滞納があると、保証会社があなたに代わって家賃の支払いをしてくれます。

しかし、保証会社は単に肩代わりしたにすぎません。

負担した分はあなたに請求してきます。

そして、保証会社からの請求に応じなければ、保証会社からは「退去して下さい」と要求される事になります。

因みに、大家さんなんかより、保証会社のほうがよっぽど厳しいです。

大家さんなら相談や交渉の余地もありますが、保証会社はそう甘くはなく「強制退去」を求めてくる事もありますから注意して下さい。

次に、いつまでたっても家賃が支払えないとなれば、最終的には契約解除となります。

まず貸主は、契約解除を予告する通知を、内容証明郵便で送ってきます。

更に、通知をしてから約3か月程度の期間が経過してもなお支払いがない場合には、「契約解除および明け渡し請求」の通知をしてきます。

この通知の意味は、契約解除するしか道はない、ということです。

なお、滞納から契約解除までの期間ですが、半年の場合もあれば、2~3か月とういう場合もあります。

自身がお持ちの賃貸借契約書には、契約解除についての項目があるはずです。

契約内容をチェックしてみましょう。

最後に、ここまで色々と説明してきましたが、すぐに支払えない事情をお持ちの場合、自分だけで対処・解決するのは難しいと感じるかと思います。

また

  • 勇気を出して大家さんに連絡・相談してみたものの話に応じてくれない…
  • 大家、管理会社、保証会社からの催促や取立てが厳しい…
  • 保証会社に強制的に差し押さえられた…

このようなケースも実際にはあります。

もし、このような状況となり自分だけではどうにもならいないと感じられたら、専門家に相談する事をお勧めします。

弁護士などが間に入る事で、話し合いや滞納分の交渉がスムーズになったり、急な退去を要求されないですむことが多くあります。

まずは、無料で電話相談を受け付けているところもありますから、気軽に相談してみましょう。

参考ページ:借金トラブルは自力で解決できる?〜弁護士の無料相談を活用して早期解決

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