住宅ローンが払えない!滞納するとどうなるの?それぞれの状況における対処方法 | ウルトラ弁護士ガイド
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支払えるはずだった住宅ローンが支払えなくなる、という事態になる方は少なくありません。
退職に転職、ボーナスカットや給与減、会社の倒産やリストラ、病気療養。
または、長期すぎたローン計画、甘かった返済計画や教育費の誤算、離婚や相続が原因。
理由は様々だと思いますが、そのままにしておくと今よりも家計は苦しい状況となり、家を手放すことになってしまいます。
今の状況を変えたいと思いませんか。
解決策はあります。
早めに対処すれば選択肢も広がるのです。
ここでは住宅ローンの支払いに悩んでいる人が参考になるような情報や解決方法を紹介していきます。
目次
滞納してしまうとどうなるの?債権者が滞納者に対してやること
債権者は、滞納額に応じて対応を変えてきます。
まずは、銀行などの債権者側がどのような対応を取ってくるか知っておきましょう。
①1日~滞納1か月分
金融機関からは、支払いの催促の書面が届きます。
督促状とか、または同様の内容の書面です。
これは住宅ローンの返済計画通りに支払いがされない場合に送られてくる手紙。
まだこの段階では、借り入れ先である金融機関も「遅れてますよ~」くらいで送っている面もあります。
しかし、督促状を無視するようなことをすれば、電話などで遅れた理由を聞いてきます。
②滞納1か月以上3か月分未満
滞納分が1か月以上となると、債権者は滞納者=債務者として見始めます。
契約者に連絡がつくまで電話してくるでしょう。
「どうなされましたか?いつ支払えますか?」と支払いの確認が取れるまで催促してくると思います。
また、支払いができない、という最悪のケースになることも想定して、債権を回収するための手続きの準備を始めている頃です。
この状況で債権者からの督促状や電話による催促を無視し続ければ、借り入れ先は契約者(所有者)の事情に関係なく債権回収に向けた手続きを進めていくことになります。
③滞納3カ月分以上~
3ヶ月分の滞納ともなると、債権者も黙ってはいません。
手元には「期限の利益の喪失」という内容の書面が届きます。
これは最終通告です。
内容については
・残りの借り入れ分を一括で払えないようなら、抵当権を実行しますよ
・抵当権実行してあなたの住宅を売却した際の売却資金は、残りの借り入れ分に充てますよ
というような内容です。
これは脅しでもなんでもなく、払えない場合には「代位弁済通知」というのが届くでしょう
なお、代位弁済通知とは、住宅ローンの場合、一般的に保証会社を連帯保証人として契約しているはずです。
契約者(所有者)が払えなくなった場合に備えているわけですが、実際に払えなくなった場合には、借入先はその保証会社に対してあなたの債務を請求することになります。
そして、連帯保証人として保証会社は滞納者の代わりに銀行などの債権者に対して返済するのです。
保証会社が代わりに返済しましたよ、という通知が「代位弁済通知」になります。
つまり、あなたにとって、今までは最初に借り入れた銀行などが債権者でしたが、今後は代わりに返済してくれた保証会社が債権者となるのです。
そのため、保証会社は代位弁済通知を滞納者に送る際、「かわりに払ったお金を返してください」という請求も一緒にしてくるでしょう。
④滞納5カ月分以上
代位弁済がされてそれでも支払えない状態が続くと、いよいよ債権者も本気になってきます。
借入先または保証会社は、「あなたにはもう返済できる能力がない」と判断するでしょう。
そのため、残りの債務を回収するために担保(抵当権を設定)している家の売却へと手続きを進めます。
具体的には、裁判所に競売を申し立てる準備をしている頃です。
早ければ、この段階で申立てをすることになります。
家を残したくても滞納額が大きくなりすぎているため、一括で支払うこともできず、分割での申し入れをしても応じてくれる可能性は低いでしょう。
⑤滞納半年以上
滞納が半年以上となると、ほとんどのケースでは既に競売の申立がされています。
裁判所からは競売開始決定通知が届くはずです。
競売になれば、入札がされ新たな所有者が決まります。
立ち退きを命じられ、嫌でも手放すしかありません。
ただ、申し立てから入札までには少し時間があります。
この時点で対策を打つことも可能です。
それは競売から任意売却に切り替えること。
時間との勝負なので難しい状況ではありますが、少しでも自分の状況をよくするために、諦めないでください。
これが滞納に応じて債権者がとる行動です。
問題は、滞納してしまった場合に、それぞれの状況でどのように解決していくかです。
これに関しては、それぞれの事情などに応じて説明していくから以下を参考にしてください。
参考ページ:住宅ローンを滞納しそうな場合・滞納している場合の対処方法
生活ギリギリ!住宅ローンを滞納しそうな場合にはどうしたらいいの?
滞納はしていないものの、住宅ローンの支払いに危機感を覚えているという人!
- ローン支払いが厳しく返済額もまだまだ多い。どうしたらいいか悩んでいる
- 年金生活になるけど年金だけじゃローンが払えそうにない
- 高齢になる親の住宅ローンがまだ残っている
- 高齢になる親・義両親がローンの支払いが苦しそう
- 返済計画を見直したい、延長したい
- 管理費の支払いがキツイ
- 住宅ローンの返済で破綻するなら任意売却をしたほうがいいのかどうか
滞納する前に行動を起こしてください。
じゃあ、何をしたらいいのか?
具体的に説明していきます。
①家計の見直し&返済計画の見直し
まずは家計の見直しが基本だね。
生命保険代や携帯代金、食費に水道光熱費など、抑えられる支出があるものがないか確認してください。
それがない、それでも無理だと言う場合には、返済計画を見直すしかありません。
ボーナス払いや月々の返済を再度確認して、無理な返済になっていないかどうかを考えてみましょう。
②見直し後には対策を練る
家計の支出や返済計画を見直して、今の収入では無理があるようなら、返済計画の変更(リスケ)や一時的な対処をする必要があります。
具体的には、月々の返済額を低くしてもらうこと。
ただ、これは返済期間を延長してもらうことになるため、支払い終わる年齢が70代までいくようなリスケは避けた方がいいでしょう。
定年後の60代になって支払いができなくなるというケースもあります。
将来の収入や生活もよく考えて行うことがポイントです。
そして、一時的な収入の低下などで住宅ローンが厳しくなっている場合には、「利息のみ払う」という方法もあります。
元金の支払いを一時的に止めてもらい、利息部分だけを支払うということもできるのです。
長期的に収入が戻らないのであればこの方法はやめた方がいいですが、転職したりなどで数カ月は収入が減ってしまう場合には有効な方法です。
③任意売却を考える
まだ滞納してはいない状況でも、任意売却の事は知っておくべきです。
もし、ローンの返済が無理だと判断した場合、自宅を売買する方法があります。
売却の方法は、競売、任意売却、リースバック。
リースバッグとは、他人や親せきに家を売る方法です。
知り合いやリースバックをしている投資家、親戚などに買い取ってもらい、賃貸で住まわせてもらうことになります。
今の家に住み続けることができるのがメリットですが、条件や買い手を見つけるのがなかなか難しくなっています。
現実的には、任意売却を考えたほうがいいかもしれません。
次に競売ですが、競売だと売り叩かれてしまい、任売よりも売却後に残るローンが大きくなるので避けたほうがいいでしょう。
任意売却は、手放すことを考えた場合には一番現実的で損することなく売却をできる方法です。
ただし、残りのローン全額を支払える金額で売れるとは限りません。
売却後にローンが残るのが一般的です。
どれくらいで売れるのか、また残ったローンの支払いについてもよく確認しておくことが重要でしょう。
そのためにも、一度、専門業者に相談してみてください。
【参考ページ】
任意売却とは住宅ローンを払えない場合の解決方法
滞納している方で借金もある方の解決方法〜個人再生や自己破産を考える
すでに3ヶ月分以上を滞納している方で、他にも借金がある方は個人再生か自己破産を考えてください。
借金がある場合、今後、計画通りの返済または計画を見直してもローンの支払いが難しくなります。
無理に返済を続けていくと、借金が増えてしまいます。
一度、借金と住宅ローンの支払いを見直す必要があります。
しかし、自分で債権者に伝えても受け入れてくれませんし、返済を伸ばすことで利息分の支払いが増えてしまいます。
そこで、個人再生という手続きをおこうことをお勧めします。
参考ページ:個人再生について詳しくはこちら
また、個人再生でも返済が難しくなるような場合には、自宅を任意売却した方がいいでしょう。
ただ、オーバーローンという状態で、売却金額では残りのローンが支払いきれず、ローン債務が残る場合があります。
残ってしまうローン債務がある場合には、それが支払えるか考えてください。
もしも残る債務が払えないような場合には、自己破産をお勧めします。
自己破産をすれば、残ってしまったローン債務の支払いをしなくて済むのです。
無理して家を残そうとしたり、無理をしてでも返済をしていこうという考えは捨てましょう。
ローンの支払いや借金の返済が厳しい場合、自己破産も一つの解決策です。
参考ページ:ローンや借金の返済が厳しい方!自己破産をした方が良いケースもあります
離婚や相続が原因で住宅ローンの問題を抱えてしまった人!
- 離婚後も元夫の方で支払うと約束したのに、支払えないとの連絡が・・・
- 住宅ローンを払っている元夫が滞納したせいで、連帯保証人になっている私に請求が・・・
- 離婚したいけど、住宅ローンがまだ残っている状況・・・
- 親が家のローンを残したまま亡くなりそう
- 親に住宅ローン債務があると知らずに相続してしまった・・・
このように、離婚や相続が原因となって住宅ローンが問題となることもあります。
では、いったいどうしたらいいのか?
通常の住宅ローン問題と同様で、一番は「支払えるのかどうか」がポイントになります。
それぞれについての詳しい説明は、以下のページを参考にしてください。
【参考ページ】
亡き親が住んでいた実家に住宅ローンが残っている場合の対処方法
離婚に伴う住宅ローンの対処法!離婚後のトラブルを回避するために連帯保証人や連帯債務者を抜けておく
悩んでいるうちに滞納額はどんどん増えてしまいます。既に滞納がある場合には早めに専門家に相談してください。
住宅ローン滞納で困ってしまったら
住宅ローン問題について紹介してきましたが、自分だけで最終的な判断をするのはちょっと待ってください。
ここで説明した方法は、一つの例であってあなたにピッタリ合う解決方法とは限りません。
住宅ローンの問題は個々に状況も違うため、それぞれ解決方法や対処も異なってきます。
間違いのない選択をするためにも、専門家の意見は聞いておくべきです。
専門家なら、あなたの収入や状況、事情において判断した対処こそが最善の解決方法であり、それぞれの事情を直接聞いてアドバイスしてくれます。
住宅ローンの相談を無料でやっている弁護士も多くいます。相談だけでも受けてみてください。
早い段階であれば、いくつかの方法も提案してくれます。選択肢が広がる可能性もあるのですぐに行動しましょう!