亡くなった祖母の家は空き家のはず?勝手に住み始めた男性!!これ罪にならないの?!

「言いにくいんだけど…今おばあさんの家に住んでる男の人、近所であまり評判よくないわよ。何であんな人に貸したの??」

えっ!?

亡くなった祖母の家は今は空き家のはず?

空き家に勝手に住み始めた男性がいるとは!!

としこさんは、旦那さんと息子さん2人の、4人家族の40代の主婦です。

そして、としこさんの両親は既に高齢なので、両親の財産管理は、一人娘であるとしこさんに任されています。

3年前に母方の祖母が亡くなり、祖母が一人で住んでいた家は、現在空き家となっており、この空き家の管理も、としこさんが行っていました。

空き家のまま放置しておくのは問題だとわかっていても、人に貸すのも色々と手続きが面倒くさそうで、ついつい手つかずになっていたのです。

また、としこさん家族は、現在、賃貸マンションで生活をしていますが、

将来、子ども達が大学生になって独り暮らしをはじめたら、祖母の家をリフォームして夫婦2人で住むのも悪くない、と考えもあって、

家を手放す決心もつかず、何となく放置…という状態になっていました。

勿論、祖母の家があまりにも荒れ果ててしまうのも問題なので、

定期的に祖母の家を訪れては、庭の手入れや家の掃除を行っていました。

 掃除機

大体、半年に4ヶ月に1回程度の割合で、空き家の様子を確認にいっていたのです。

そして、久しぶりの祖母の家を訪問する日…としこさんは、驚きの証言を聞いたのです!!

まるでホラー?!誰もいないはずの家に、『人が住んでいる』と目撃情報が!!

としこさんは、いつものように車に掃除セット一式を積みこみ、祖母の家にやってきました。

家の庭に車を停め、車から荷物を降ろしていると、

IMG_4276「あら、としこちゃん!お久しぶり!!」

不意に、道路から声をかけられました。

IMG_4277「あれ、山田さん!こんにちは、ご無沙汰してます。」

声をかけてきたのは、祖母の家のお隣さん、山田さんの奥さんだったのです。

としこさんは祖母の生前から、頻繁に祖母の家に顔を出していました。

ちょっとした雑用等を手伝っていたので、その頃から自然と山田さんとも親しくなっていました。

祖母が亡くなって、しばらく空き家の状態にしておくことに決めた際も、お隣さんである山田さんのところにご挨拶にいっているのです。

IMG_4276「本当!久しぶりにとしこちゃんの顔見たわー!元気だった??」

それからしばらく、祖母の家の庭でたわいもない雑談を続けました。

そして、ふと、山田さんがこんなことを言い出したのです。

IMG_4276「そういえば、言いにくいんだけど…今おばあさんの家に住んでる男の人、近所であまり評判よくないのよー。

 ゴミ出しのルールも守らないし、まともに挨拶も返さないし…

 よりにもよって、何であんな人に貸したの??」

IMG_4277「え、貸したって、何をですか??」

一瞬、としこさんは何を言われているのかわからなくて、きょとんとしました。

IMG_4276「何って…家よ、この家。立派な家なんだから、あんな人じゃなくて、もっと借り手もあっただろうに…」

IMG_4277「…えぇ?!私、この家、誰にも貸してないですよ!!空き家のままです!」

びっくりしたとしこさんは、思わず大きな声を出してしまいました。

IMG_4276「あら、だって、私この家から出てくる男の人に何度も会ってるわよ。

 賃貸で借りてるって言ってたから…としこちゃんが貸してあげてたんだと思ったけど。」

IMG_4277「私、誰にも家を貸すなんて話したことありませんよ。男の人って、誰ですか?!」

思わず問い詰める口調になるとしこさん。

ですが、山田さんにだって、詳しい事情はわかりません。

IMG_4276「う、うーん、誰って言われても…向こうが引っ越しの挨拶にきたわけでもないし。

 たまたま私が、門から出てくる姿を見かけて声かけた程度だから…特に名前は名乗らなかったわね。」

山田さんも、としこさんの反応が予想外だったのか、戸惑ったような表情を浮かべています。

IMG_4277「一回だけですか、姿を見たの。何度も会ってますか??」

IMG_4276「だから、その人に何度も会ってるってばー。」

としこさんと山田さんは、お互い驚きと戸惑いでいっぱいでした。

しばらく2人で色々話をしていましたが、

とにかく『知らない男性が勝手に家に入りこんでいるとしたら大変なことだ!!』と、ひとまず、山田さんのお宅に避難しました。

そして、そこで110番通報をしたのです。

敷いた覚えのない布団が…!?一体誰が寝てるの??

としこさんが警察へ事情を話すと、すぐに、最寄りの交番のお巡りさんが駆けつけてくれました。

そして、お巡りさん立ち合いのもと、としこさんと山田さんは、遂に家の中に入ったのです!!

そこは、としこさんが見慣れた、普段通りの祖母の家のように思えました。

ですが…よく見ると、

キッチンのごみ箱にお弁当の空が捨ててあったり、飲んだ覚えもない空のペットボトルが放置されている等、不自然な点はたくさんありました。

 photo2 (27)

その後、お巡りさんと一緒に2階の部屋に行ったところ、何と!!誰もいないはずの部屋に布団が敷かれていたのです。

としこさんがこの家に掃除に来たのは4ヶ月前。

勿論、その時も掃除に来ただけであって、わざわざ布団を敷いたりはしていません。

もはや、この家に、としこさんの知らない『誰か』が出入りしていることは明らかです!!

しかも、1階のキッチン側にある勝手口の鍵には、はっきりと壊された形跡がありました。

結局、この件は本格的に警察が調査することになったのです。

『空き家』への侵入は、よくテレビで聞く『不法侵入』とは違うの??

それから1週間後、警察からとしこさんに連絡がありました。

どうやら、祖母の家に出入りしていたのは、としこさんと全く面識の無い50代の男性だったというのです。

男性は、住む家が無くフラフラしていたところに、偶然空き家であるとしこさんの祖母の家を見つけて、入り込んでしまったといいます。

IMG_4279『誰も住んでいない空き家だったから、持ち主がいないと思った。住んでも誰も困らないと思った。』

等と供述しているそうです。

例え空き家だったとしても、勝手に侵入していいはずがないですよね。

さて、ではこうしたケースの場合、この男性は具体的にどのような罪になるのでしょうか?

詳しく見ていきましょう。

住居侵入罪(じゅうきょしんにゅうざい)は、刑法130条前段に規定される罪(同条後段には不退去罪が規定されている)。
「住居不法侵入」などと言われることもあるが、法律事務や法学の講義で「住居不法侵入罪」という語は用いられない。

住居侵入罪 – Wikipedia」より 

刑法第130条:(住居侵入等)
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、
又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

刑法第130条 – Wikibooks」より 

上記のように、住居侵入罪については、刑法130条で規定されています。

そして『侵入対象』となるものについて、下記4つの分類をしているのです。

・住居
・邸宅
・建造物
・艦船

としこさんの祖母の家は、元々は住居として使用されていましたが、3年前に祖母が亡くなって以来、ずっと空き家となっていました。

その為、今回侵入対象となったのは『住居』ではなく、『邸宅』という分類となります。

上記『邸宅』について詳しく見ていきましょう

邸宅・建造物:
「人の看守する邸宅」への侵入も住居侵入罪を構成する。
「人の看守する」とは、人による事実上の管理・支配を意味する(最判昭和59年12月18日刑集38巻12号3026頁)。
鍵も囲いもなく放置されている場合には「人の看守」がないとされ、そこへの侵入が住居侵入罪とはならない場合がある。
なお、住居に付属した敷地(庭など)は「邸宅」として、そこへの侵入も住居侵入罪となる。
また、建造物に付属した敷地は、建物に接続して障壁等で囲まれている囲繞地(いにょうち)であると認められる場合には、
建造物の一部として扱われ、そこへの侵入が住居侵入罪を構成する(最大判昭和25年9月27日刑集4巻9号1783頁。囲繞地の定義につき、最判昭和51年3月4日刑集30巻2号79頁)。
そのため、建物に侵入していなくても壁を乗り越えて中庭等へ侵入した時点で、住居侵入罪の既遂となる(未遂にとどまるのではない)。
また、マンションの共用部分も邸宅に該当する(最判平成20年4月11日)。

住居侵入罪 – Wikipedia」より

今回のケース

男性による『としこさんが看守(管理)する、邸宅(祖母の家)への侵入』が認められたことになります。

勿論『人が住んでいなかったから住居ではない!』等という、犯人の言い訳は通用しません。

一口に『住居侵入罪』と言っても、実際のところ、その分類は細かくわけられているのですね。

空き家は今後ますます増加傾向に!空き家管理は他人事ではない!?

結局、としこさんは、祖母の家に侵入した男性に直接会うことはなく、全て警察に任せることにしました。

そして、無事一連の騒動が落ち着くと、すぐに祖母の家をリフォームし、不動産会社を介して人に貸し出すことにしたのです。

いつかは自分達が住むかもしれないからといって、これまで通り『空き家』として放置しておくと、また同じようなトラブルが起こってしまうかもしれないと考えたからです。

現在、全国各地で増加傾向にある『空き家』問題。

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親世代から持ち家を相続したはいいものの、自分達の暮らす家の管理で精一杯で、とても相続した家の管理や処分にまで手が回らない、という人もたくさんいます。

しかし、こうした『管理の行き届かない空き家』が増えてくると、知らぬ間に『空き家』が犯罪の現場にされてしまったり、

建物の老朽化による倒壊の危険や、火災の危険性も高まってきます。

もし自分が『空き家』の管理を任される立場になった時は、『とりあえず放置しておこう』等と考えるのではなく、素早く適切な対応をとるように心掛けましょう。

One Response to “亡くなった祖母の家は空き家のはず?勝手に住み始めた男性!!これ罪にならないの?!”

  1. 匿名 より:

    もしその男性がおばあさんのお宅に20年以上住んだらお宅は男性のものになるんですよね?

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