ゴミ捨て場のゴミをリメイクしちゃう私ってすごい!…うそ!エコな私が犯罪者扱い!?

ちえみさんの趣味は、小物や家具のリメイクです。

自宅の小物や家具をせっせとリメイクしては、家の中を華やかにして楽しんでいました。

photo1 (5)最初は小さな小物等をリメイクしていたちえみさんですが、慣れてくると、そのうち、棚や椅子など、大きな家具のリメイクにも挑戦しはじめたのです。

そしてついに、自宅にあるものは、あらかたリメイクが完了してしまったちえみさん。

『家の中のものほとんどリメイクし尽くしちゃった。他にリメイクできるもの、何かないかなぁ。』

買い物帰りの車のなかで、そんなことを考えていたちえみさんの目に、あるものが飛び込んできました。

それは…ゴミ捨て場に捨ててあった、タンスです。

『あれ?あのタンス、そんなに傷んでないよね?!貰ってリメイクしちゃおうかな!?』

ちえみさんの目には、そのタンスが、まるで宝のように見えたのです

そうして、ちょっと周囲を見回し誰も見ていないことを確認すると…

ささっとゴミ捨て場のタンスを車に積んでしまったのです。

『さーて、帰ったらすぐリメイクしようっと♪』

そして、それから2週間後…

ちえみさんは、綺麗にリメイクしたタンスを、家族にお披露目しました。

「どう!?すごいでしょ。今回はこんなのリメイクしちゃった!!」

「えー?!ママ、すごいね!」

「へぇ、すごいな。もう職人みたいじゃないか。」

娘さんも旦那さんも、笑顔でちえみさんを褒めてくれました。

ちえみさんは、すっかり気分がよくなり、ますますリメイクへの意欲を燃やしたのです。

やはり、家具等、大きなものをリメイクしたほうが、皆からビックリされたり、褒めてもらえるので、ちえみさんの創作意欲もより湧いてきます。

『やっぱり、家具よ、家具!!リメイクのやりがいがあるわー』

そう思ったちえみさんは、ある計画を考えました。

そう!今回のように『ゴミ捨て場で、手ごろな家具をGETする』という計画です。

早速、ちえみさんは、定期的にゴミ捨て場を巡り、捨てられている家具の回収をはじめたのです!

素材となるゴミを拾ってきては、色々な工夫をこらしてリメイクを楽しむ。

ちえみさんは、とても充実した毎日を送っていました。

ところが、ある日…

すみません、警察の者ですが…

なんと!ちえみさんのところに、警察がやってきたのです!!

突然やってきた警察!私、通報されるようなことなんてしていないのに!!

「警察?このあたりで何か事件でもあったんですか??」

勿論、警察に厄介になるようなことには全く心当たりのない、ちえみさん。

ビックリして、警察官に小声で話しかけます。

「いえ、事件ではなくて…奥さんのことで、ちょっとお話をお伺いしたいのですが。」

「えっ?!」

実はですね、奥さんが、ゴミ捨て場の品を自宅に持ち帰っているという通報がありまして…

「通報!?た、確かにゴミのリサイクルはしてますけど…」

「…では、事実なんですね??」

「た、ただのゴミですよ!?ゴミをもらって帰っただけです!!人様の物や商品を盗んだわけじゃありません!!!それを通報って…!!!」

まるで、自分が泥棒でもしているかのような扱いに、ちえみさんは怒りを覚えました

「奥さん、例えゴミ捨て場にあるものでもね、勝手に持って帰ったら問題なんですよ。」

警察官は、ちょっと困ったような表情をうかべながら、話しかけます。

「ゴミはゴミでしょ!?捨ててあるってことは、もういらないってことじゃない。

 それを貰ってリサイクルするなんて、エコじゃないですか!?」

「…うーん、お気持ちはわかりますが…」

ゴミ捨て場のものを持って帰る」ことの、何が悪いの!?

では、ここで、ちえみさんの一体何が問題だったのかを見てみましょう。

このケースで問題となるのは、『ちえみさんが拾ったものは、本当にゴミだったのか?』という点です。

『ゴミ捨て場に捨ててあるものなんだから、ゴミに決まっているだろう!』と考える方が、ほとんどだと思います。

でも、ちょっと待ってください。

例えあなたが『ゴミ捨て場に捨ててあったゴミ』と考えるものでも、本来の持ち主が、それを『不要なゴミとして捨てた』瞬間を、自分の目で確認したわけではないですよね。

ただ、あなたが『ゴミ捨て場にあったのだから、これはゴミに違いない』と思いこんでいるだけなのです。

極端な例ですが、

泥棒が、盗んできたものを『盗んだものだけど、これはもう使わないから捨ててしまおう』と考えてゴミ捨て場に放置しただけなのかもしれません

そうして、ゴミ捨て場に放置されたものを、たまたまあなたが見つけて拾った、という可能性だってあるのです。

これでも、元の持ち主にとってみれば、

『自分のものを、合意なしに奪われて、勝手に所有されている』

という事実しか残りませんよね。

元の持ち主に『捨てる、または放棄する意思』が無いのに、持ち主の手元から離れてしまったもののことを、『占有離脱物』と言います。

これは、『元の持ち主の占有(自分のものとして持っていること)から、離れてしまったもの』という意味です。

今回のちえみさんのケースの場合、この『占有離脱物を、勝手に自宅に持ち帰ってしまった』という点が

問題ということで、警察が話を聞きにきたのです。

占有離脱物横領罪 遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領すると、遺失物等横領罪が成立する(刑法254条)。

「それじゃあ、私が貰って帰ったゴミのなかに、元の持ち主が『ゴミじゃないから返して』って言ってるものがあるんですか??」

「いえ…今回はですね、そういう話でもないんです。」

ところが、警察官は、どうにも煮え切りません。

「えーと、ご近所の皆さんとしてはですね、自分の家のゴミを見られるのが嫌だから、ゴミ捨て場巡りを止めてほしい、というのが本音なんですよ。」

「えっ?!」

ちえみさんは、予想外の回答に、思わず声をあげてしまいました。

「ほら、ゴミって、色々と個人情報になるようなもの、あるじゃないですか。皆さんね、そういった、自分たちの生活がわかるようなゴミをあさられることを、嫌がっているんです。」

photo2 (3)

昨今では、一般家庭でもかなり個人情報の取り扱いに慎重になってきています。

郵便物の宛名をサインペンで塗りつぶしたり、はさみでバラバラに刻んでから捨てる、なんて話も耳にしますね。

「ちょ、ちょっと待ってください!私は別に、ゴミ袋をあけてゴミをあさっているわけじゃありませんよ!?人様のお家の個人情報を見たりなんて、一切してません!!」

ちえみさんは、そんな風に誤解されているなんて、とても心外でした。

「まぁ、とにかくね、ご近所から『ゴミ捨て場をあさることを止めてほしい』という要望がでているから、私がこうして伺ったんです。

先ほどもお話したとおり、奥さんに悪気は無くても、ゴミ捨て場からゴミを持って帰る行為自体、場合によっては罪になることもありますからね。これを機に、すぱっとやめてください。」

「…はい、わかりました。」

ちえみさんは、すっかり落ち込んでしまい、か細い声でこたえることしかできませんでした。

そうして、警察が帰ってからも、ちえみさんは家の中で一人、ショックでぼんやりとしていました。

「…そうね。確かに、自分の捨てたゴミを、誰かが見てるかもしれないと思ったら、気持ち悪いわよね。」

自分のことに置き換えてみると、確かに、気持ちのいい行いではなかったのだと、改めて実感できました。

「私、皆にリメイクを褒められて調子にのっちゃったんだわ…ゴミ捨て場のゴミまで拾ってきてリメイクするなんて…」

この一件以来、ちえみさんは、ゴミ捨て場巡りをきっぱりとやめました。

そして、手の届く範囲のものを使って、気が向いた時だけリメイクを楽しむようになりました。

気づかぬうちに、自分が泥棒に?!

さて、今回のちえみさんの件のように、警察からの口頭注意で済めば、まだいい方です。

例えば、『ゴミ捨て場に捨ててあった自転車が、まだ使えそうだから、拾って使っていた。』なんてケース

いかにもよくありそうですよね。

自転車だったら??

一般的に、自転車が誰かに盗まれた場合、持ち主は警察に『盗難被害届』をだしますよね。

そんな『盗難被害届』が出ている自転車を、全く関係のない第三者が乗っていた。

こうなると、警察は、どうしても『自転車に乗っている第三者』が『自転車を盗んだ人間ではないか?』と『窃盗』を疑わざるを得ません

例え、ありのまま正直に『ゴミ捨て場に捨ててあったから拾った』と主張しても、それを証明することができなければ、自転車を盗んだと疑われてしまっても、ある意味仕方がないことなのです。

このような、トラブルを避けるためにも、ゴミ捨て場に捨ててあるものを、気軽に持ち帰るような行為は控えましょう。

最近は、リサイクルショップもたくさんありますし、ネット上で、中古品のやりとりが簡単にできるサイトなどもあります。

『合法』に、上手にものをリサイクルし、地球に優しい、エコな暮らしができたらとても素敵ですね。

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