オートロックのマンション安心して扉を開けたら…訪問販売のセールスだった!許される行為なの?

他の住民がロックを開けたとしても、その他の家まで全部回るなら、不法侵入じゃないの!?

かなえさんは、旦那さんと娘さんのゆいちゃんの3人家族の、30代の主婦です。

半年前に、今住んでいるオートロック付きの分譲マンションを購入し、住みはじめました。

幸い、隣人関係にも恵まれ、楽しい毎日を過ごしています。

お隣さんの山口さんには同学年になる娘さんがいます。

家族ぐるみが付き合いもできて世間話するほど仲が良いのです。

ある日曜日の午後、かなえさんが洗濯ものを干していると、家のインターフォンがなりました。

かなえさんのマンションのインターフォンは、

『1階の正面玄関のインターフォン』

『自分の家の前のインターフォン』

2タイプがあって、それぞれ呼び出し音が変わるように設定

『1階の正面玄関のインターフォン』の場合、一度自宅のインターフォンモニターを操作してロックのかかった正面玄関を解錠する作業が必要となるのです。

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それに対して、『自分の家の前のインターフォン』は、単純に自分の家のドア横に設置されているものです。

この時、かなえさんが聞いたのは『自分の家の前のインターフォン』の呼び出し音でした。

つまり、既にマンションの共有部分にまで入ってきている誰かが、

直接かなえさんの家の前の廊下まで来て、ドア横のインターフォンを押したことになります。

かなえさんは、いつもの通り『またお隣の山田さんがお茶を飲みにきたのかな??』と、

何の疑いもなく、玄関に向かいました。

『自分の家の前のインターフォン』が鳴った時は、知り合いか、

事前に『1階の正面玄関のインターフォン』経由でオートロックを解錠した人しか来るはずがなかったからです。

かなえさんは、すっかり『いつも通り、お隣の山田さんが来た』と思いこんでしまい、

インターフォンに出ることもなく、いきなり玄関の鍵を開けてドアを開けました。

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すると…そこには!?

「え、あなた誰?!」

マンションの住民以外の人が、好き勝手にマンション内をうろついている?!

かなえさんがガチャリと玄関を開けると、そこには、スーツを来た30代くらいの男性が立っていました。

IMG_4277「え!?ど、どちら様ですか??」

てっきり山田さんが来たのだ思っていたかなえさんは、予想外の人物の登場にビックリしてしまいました。

戸惑いを隠せないかなえさんですが、スーツ姿の男性は気にした様子もなく、

aaa「初めまして!私、今このあたりでお子様の学習教材をご紹介して回っておりまして〜」

と、いきなりセールストークをはじめました。

軽いパニックになっているかなえさんは、男性が何を言っているのか、全く頭にはいってきません。

その間に、男性はちゃっかり開いたドアから、家の中へ入ろうとしているではありませんか!?

IMG_4277「ちょ、ちょっと待ってください!何ですか、あなた突然!!」

流石に、家の中へ入ろうとする男性に驚いたかなえさんは、大きな声で叱責しました。

aaa「ですから、先ほども申し上げた通り、お子様の学習教材を…」

IMG_4277「そうじゃなくて!!!」

かなえさんは、ようやく事態が飲み込めてきました。

どうやら、この男性は、学習教材の訪問販売のセールスマンのようです。

かなえさんは、この男性の為に『1階の正面玄関の鍵』を解錠した覚えはありませんから、

恐らくこの男性は、他の入居者に玄関を開けてもらうか何かして、マンション内に入ったのでしょう。

勿論、それはかなえさんの知らないところで行われたものなので、突然オートロックのマンション内で自宅の真ん前までやって来られると・・・・。

何だか勝手に鍵を開けられ、マンション内に侵入されたような、何とも言えない気持ち悪さを感じました。

例え、マンションの他の居住者がオートロックを解錠したからといって。

その居住者への用事が済んだら、マンションを出ていくのがマナーではないでしょうか?

かなえさんがこの男性をマンション内に招いたわけでもないのに!!

マンション内に入れたことをこれ幸いとばかりに、ついでにかなえさんの家にまで営業して回るなんて、非常識もいいところです。

IMG_4277「私はこのマンション内に、あなたをお招きした覚えはないのですが… 

どうして今、うちのインターフォンを鳴らされたんですか??」

aaa「どうしてって…私は営業ですから。

こうやってお客様の元を回らせて頂いているんですが。」

ちょっと怒気まじりのかなえさんのセリフにも、セールスマンの男性は負けていません。

開き直りともとれる態度で、強気に言い返してきました。

IMG_4277「…このマンション内のどなたかに、ご用事があって入ったんでしょうけど…

 その方への用事が済んでからも、ずっとマンション内を営業して回ってるんですか?

ちょっと非常識じゃありません?」

かなえさんは、突然やって来て、いきなり家の中にあがりこもうとするセールスマンに相当腹がたっており、かなり攻撃的な口調でそう告げました。

aaa「あれ、これっていけないことなんでしょうか?

このマンションにはそういう決まりでもあるんですか?

初めて聞きました。」

対して、男性の方もかなり攻撃的な態度と口調で返してきました。

お互い、バチバチと火花が見えそうな緊迫した状況を打ち破ったのは…何と、お隣の山田さんでした。

bbb「あら、かなえさん、こんにちはー。」

かなえさんとセールスマンの男性が睨み合っている横から、のんびりとした口調で、そう話しかけてきたのです。

aaa「山田さん!こんにちは。」

急に横から現れた山田さんにびっくりしたかなえさんですが、このピリピリした場所に自分の知人が来てくれたので、少し心強くなりました。

セールスマンの男性も、同じようなことを考え不利を悟ったのか。

aaa「それでは、ご興味がありましたら、是非どうぞー。」

等と、形だけの挨拶をして、そそくさと去っていきました。

オートロックのマンション内で、各部屋へ営業をかけて回ることは許される??

かなり失礼な態度のセールスマン相手に、かなりご立腹だったかなえさんは、そのままの流れで山田さんとお茶をすることにしました。

早速、今あった出来事を山田さんに報告したところ、山田さんも、

bbb「うーん、私も、部外者が勝手にマンション内を歩き回っているのは嫌だなぁ。

 用事が済んだらさっさと出ていってほしいけど… 
 
 勝手に歩きまわっているのって、不法侵入とかにならないのかな??」

 と、不満げな様子でした。

確かに、せっかくのオートロックのマンションなのに・・・・。

マンションの居住者以外の人間が、自由に歩き回っているのはいい気分がしませんよね。

宅配業者さんや郵便配達屋さんはどうしているのか?

最近では、きちんと、用事のある世帯全戸に対し、『1階の正面玄関のインターフォン』で宅配や郵便を届ける旨を事前に伝えます。

その後、マンション内の各戸を回る、という非常に丁寧な運営をしているところがほとんどです。

本当に必要な用事があってマンション内に立ち入っている人たちも、こうしてきちんとルールを作って対応してくれているのに!!

今回のセールスマンのような人たちに、好き勝手立ち入られるのは、なんだか悔しいところです。

今回のケースについて

もし今回の男性の行為を法的に裁こうとするならば、下記のような条文に抵触する可能性があると言えます。

刑法第130条:(住居侵入等)
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、
又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

刑法第130条 – Wikibooks」より 

他人の住居、建造物、艦船に、適法に又は過失によって立ち入ったのち、要求を受けたにもかかわらず退去しなかった場合に成立する。
ただし、退去を要求されたからといって即座に不退去罪の既遂となるわけではなく、
所持品を整理して持つとか、衣類を着用して靴を履くなど退去に要する合理的な時間を超えて故意に退去しなかった場合に成立する。
また、住人や管理人が退去してほしいと思っていても、明示的な退去要求がなければ本罪は成立しない。

不退去罪 – Wikipedia」より 

『住居に入る時点』で、適法であるかどうかのポイントは??

まず、注意したいのは、今回のセールスマンの『マンション内への立ち入り』が適法なものであったかどうか、というところです。

①セールスマンの男性が、マンションの居住者の誰かに『訪問販売の営業』と名乗り、

部屋の前まで言って説明をする、と話がついて、

居住者が納得の上でオートロックを解錠し、

セールスマンがマンション内へと立ち入ったもの

②マンションの居住者いずれかが、

『1階の正面玄関のオートロック』を鍵で開け、

マンション内に入る時に、
 
セールスマンもこっそり後をついて、

マンション内に立ち入ったもの

上記①②を考えた場合、①は勿論、適法ですね。

そして、②は明らかに問題のある侵入方法だということがわかると思います。

この場合、セールスマンは、マンション居住者の誰の承諾も得ずに入り込んでしまったわけです。

この時点で『住居侵入罪』に該当する可能性があります。

『適法にマンション内に立ち入った場合』でも、退去要求を受けたら、居座ることはできない!!

今度は、

『セールスマンが住居に入る時点で適法であったとしても、用事が済んだ時点で速やかにマンションから出ていって欲しい!!』

というかなえさんや山田さんの希望について、考えていきましょう。

マンションへ立ち入る際に適法であったということは、一応『居住者の許可』を得た上でマンションに立ち入ったことになるわけです。

そのため、このセールスマンが、当初の用事が済んだ後、マンション内のどこを歩いていたとしても、

ただそれだけで『罪』とすることは非常に難しいのです。

しかし、だからと言って勿論、『一度入り込んでしまえば、何をやっても許される』というわけでもありません。

先ほどご紹介した刑法第130条の後段では、『不退去罪』についての規定がなされています。

不退去罪とは、

簡単に言えば『その住居の住民や管理人が「出ていけ」

といったのに、出て行かなかった場合は罪となる』ということです。

この規定を利用すれば、今回のかなえさんのようなトラブルも、うまく解決することができるのです。

この『不退去罪』では、相手に対し『出ていけ』とはっきりと意思表示をすることが大切なポイントとなります。

しっかりと相手に対して『退去の要求』を行い、その要求が受け入れられなったときにはじめて、『不退去罪』が成立するのです。

相手側に『明確な退去要求を受けていなかった』と言われてしまって、もしそれを証明できなければ、

『不退去罪』の立件が難しくなってきてしまいます。

このため、最近では、事前に『部外者立ち入り禁止』の意思表示として

『セールス、訪問販売お断り。関係者以外立ち入り禁止』等のビラやチラシを掲示するマンションが多くなってきています。

皆さんも、近所のマンション等で一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?

実は、こうすることで『マンション居住者達の総意』として、部外者の立ち入り禁止・退去を要求していることをはっきり明示できるのです。

これだけしっかりと事前を準備をしておければ、各家庭で、個別にセールスマンと不毛な争いを行う必要もなくなりますね。

「居住者達の意見を、きちんと1つにまとめておくこと!」マンションの管理組合はとても大切!!

近年は、マンショントラブルの一つとして、今回のような『オートロックマンション内への侵入』のケースが増えてきています。

大きなトラブルに発展する前に、マンション居住者の一致団結が大切となります。

居住者同士で組織する『管理組合』等で方針をしっかりと固め、せっかくのオートロック設備が無駄にならないよう注意しましょう。

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