反省文を強要されたら書かなきゃいけない?パワハラじゃないの?

スクリーンショット 2016-05-23 15.49.09カスミ社には様々な部門があります。

ヤスダさんはその中の営業部に配属されました。

彼は無口であまり他の社員とも交流せず、相談や連絡、報告もなく、協調性もありません。

主任の松本さんは何度もヤスダさんに注意を行いましたが、なかなか態度を改めません。

そこで、松本主任はヤスダさんに対し、反省文を提出するよう求めました。

反省文の提出についてカスミ社では就業規則や業務規程に定められておらず、反省文を取るかどうか、社内では主任の裁量において行われてきたのです。

ある日、松本主任は他の社員からヤスダさんが終業時間よりかなり前に仕事を終わらせ、帰り支度を始めていると報告を受けました。

ヤスダさんは「帰り支度なんてそんなことはないですよ。 通常の後片付けをしているだけですよ。」と反論しました。

そのため、松本主任はヤスダさんにその片付けを再現するように言い、時間を測ることにしました。

しかし、ヤスダさんは「なぜ私がそんなことをしなければならないのですか?やりません。」と断固拒否します。

数日に渡って松本主任は何度も説得を行い、ヤスダさんはそれを拒否し続けます。

「私の言うことが聞けないのなら。」と、とうとう松本主任はヤスダさんに反省文を提出するように命じたのです。

さらに別の日、ヤスダさんは庶務課の鈴木さんに休暇の申請を行いました。

カスミ社では、休暇の申請は直接の上司にすることになっていました。

しかし、営業という部署は上司が多忙で直接申請することができないことも多く、庶務課の職員に申請し、庶務課から営業部の上司に伝言するのが慣例になっていました。

ところが松本主任は「なぜ私に申請しないんだ。」とヤスダさんに反省文を求め、またヤスダさんはそれを拒否するといったことが続いています。

ヤスダさんは「松本主任がやっていることはパワハラだ。いつか絶対訴えてやる。」と思っています。

【参考ページ】:パワハラ・モラハラの悩み相談!自分の場合はどうなるの? | ウルトラ弁護士ガイド

これはパワハラになるのでしょうか?

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そもそも松本主任がヤスダさんに「反省文」を求めることはできるのでしょうか?

まぁ仮に「反省文」の提出がゆるされるとして、片付けの時間を測るためにそれを再現することを命じることができるのでしょうか?

また休暇の申請についてこんなに細かい理由で反省文を提出するよう求めることができるのでしょうか?

会社は社員に対して指導監督を行う権限があります。

ですから会社の上司が自分の担当部署で部下に指導監督を行う権限があるというのは理解できます。

しかし、その指導は常識的なものでなければならないのです。

常識的な指導の範囲内で「反省文」の提出を求めることは大丈夫です。

しかしこれがもし、松本主任が指導監督の権限を超えて、個人的な恨みや単にヤスダさんが嫌いだからという理由で、必要以上に厳しい指導を行うなどのことをすれば、これは違法になるのです。

他に過度な叱責や、不当に他の社員の目にさらすような場所での叱責を行うことも違法になります。

【参考ページ】:パワハラ・モラハラの悩み相談!自分の場合はどうなるの? | ウルトラ弁護士ガイド

反省文には2種ある

今回のケースでは「反省文」が問題になっていますが、反省文には2種類あります。

指導監督を目的として、自分の行った行為と今後の改善点を報告させるといった意味のものと、懲戒処分としての始末書があります。

懲戒処分として始末書を提出させるためには、それが就業規則に定められていなければなりません。

反省文と懲戒処分の始末書ってその境目が難しいのですが、松本主任が業務内容についての報告を求める範囲内で反省文を求めていたのであれば、懲戒処分には該当しないでしょう。

業務命令だからOK!!ということになります。

ところが今回のケースで、もし松本主任が懲戒処分的な意味で反省文を提出させようとしていたのなら明らかに違法な処分になりますよね。

今回のケースの中は指導監督権の範囲内?

片付けにかかる時間を測るためにそれを再現させる行為は常識的なものでしょうか?

わざわざ再現させなくても終業時間が近づいたときに、ヤスダさんが実際に片付けるのを見回ることで事実の確認はできるわけで、ヤスダさんの行為が不適切であれば、改善するように求めればいいのではないでしょうか。

再現しなかったから反省文を求めるという行為は行き過ぎだと思いますし、指導監督の範囲を超えているように思います。

また、休暇の申請についても、庶務課の職員にするのが慣例になっているのであれば、ことさらに違反だと言い立てる必要もなく、注意は口頭で行えば済むのではないかと思います。

こちらも常識の範囲を超えていると考えられます。

今回のケースで、松本主任が必要以上に「反省文」を求めてしまったのはなぜでしょう?

ヤスダさんに協調性がなく、報告や連絡もないといったことも一因と言えるでしょうね。

「いつかパワハラで訴えてやる。」その気持ちもわからないではありませんが、ヤスダさんにも反省の余地がありそうです。 今回のケース、一方的に松本主任が悪いと私は思いません。

私は会社にも問題があるのでは?と思います。

現場での指導監督が松本主任にまかせっきりになっていたのではないかと・・・。

反省文は書く方に多少の原因があるとはいえ、精神的に大きな負担がかかるものですから、まずはそのような指導方法を会社として認めるかどうか、そして認めるとなったら提出をさせる場合はどのようなことをしたときなのかなど社内で検討して規定を作ることが必要になると思います。

それができたら社内にしっかり周知徹底を図ることが求められます。

規定の中で「懲戒処分としての反省文」と「指導としての反省文」の線引きをしっかりしておくことも必要だと考えます。

また主任が部下にどういった指導を行っているのかということも人事部はしっかり把握すべきです。

松本主任がヤスダさんに執拗に反省文を求めるといった行為は、個人的にヤスダさんに対するいら立ちを抑えきれなかったためとも考えられます。

これは実は松本主任の個人の問題というより、カスミ社の社員教育不足、あるいは人材の配置ミスも原因ではないかと思うのです。そうしたことがパワハラを生んでしまうということは否定できません。

パワハラが上司個人の問題だけではなく、そういった行為をさせてしまう原因を会社としても究明し、取り除くことが必要でしょう。

私たち社員も就業規則に則り、勤勉に職務を全うしなければなりませんが、上司の態度や一言でモチベーションが下がる時って意外に多いんですよね。

そしてその中でも私たち社員がうんざりするのが大声での叱責。機嫌が悪いと声が余計に大きく、叱責の時間も長いんです。

ひとつ上司にお願いするとしたら、「ほめるときにはみんなの前で。注意するときには見えないところで個別に。」と言いたいですね。

会社のトラブルはこちらを参考にしてください。
会社でのトラブルを自分で解決する方法 | ウルトラ弁護士ガイド

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