いきなりの家賃値上げ!従わなきゃいけないの?

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家賃値上げでこまる賃貸物件に長く住んでいると、「家賃を値上げする」という通知が来ることがあります。

この家賃値上げが原因で、借主と大家さんとの間でトラブルになるケースも少なくはありません。

  • 突然、来月からの家賃を値上げすると言われた
  • 契約更新に伴い、賃料を1万円値上げするとの通知がきた
  • 家賃の値上げに同意しない場合は、更新されないと書かれている
  • 家賃の値上げに同意できない場合には、契約期間が終了となる日までに明け渡せと言われた
  • 値上げした賃料の金額でないと受け取らないと言われた

このような場合には、どうしたら良いでしょうか?

仕方なく値上げに従うしかないのか・・・

値上げが嫌なら住み続けることはできなくなるのか…

そこで、家賃の値上げに関するトラブルについて、正しい知識と対処法を説明していきます。

賃料値上げはできるの?適正な家賃の値上げとは?

大家さんから、「家賃を値上げする」との連絡がきた場合ですが、納得がいかないのであれば従う必要はありません。

そもそも、賃料の値上げができるのか?という点から説明すると、賃貸借契約書に賃料値上げの取り決めがない場合でも、賃料の値上げは可能です。

また、賃料を値上げするに際には、「借主の承諾も必要ない」というのが基本ですから、

「突然、来月からの家賃を値上げすると言われた」

「契約更新に伴い、賃料を1万円値上げするとの通知がきた」

大家さんが賃料を値上げすると言ってきても、それ自体に問題はありません。

ただし、値上げするには条件があります。

借地借家法という法律で賃料について定められています(第32条1項)。

この法律では、以下の場合には家賃の増額または減額請求ができるとされています。

・土地または建物に対する租税等の増減により土地及び建物の価格が変動して現在の賃料が不相当となった場合

・経済事情の変動により現在の賃料が不相当となった場合

・周辺の類似物件の賃料と比較して不相当となった場合
(ただし、特約などで「一定の期間については賃料の増額はしない」などとされている場合には、その内容に従う)

つまり、賃貸借契約書に賃料値上げについての取り決めがなくても、条件に当てはまる場合には賃料の値上げの請求はできます。

一方で、いかなる場合でも値上げができるわけではありません。

最終的に、大家さんからの賃料値上げ請求が妥当かどうかは、上記の条件に該当するかどうかで決まります。

ですから、貸主は、値上げ請求が妥当ではない場合には、請求に従わなくていいことになります。

値上げを告知する適正な時期は?

伝える時期に関しては、借地借家法では特に定められていません。

つまり、大家さんはいつでも借主に対して値上げ請求することができます。

1か月前であろうが、契約更新の10日前であっても、法的には問題ないのです。

だからと言って、「言われるがままに従わなくてはいけない」ということではありません。

賃料値上げに納得できない場合の対処方法

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賃料値上げの通知や請求に納得が出来ない場合には、基本的には、大家さんとの話し合いで解決することが望ましいと言えます。

そのまま住み続けることを考えると、互いに相談しあって決めることがベストです。

なお、話し合いをしても話がつかない、納得が出来ない場合でも、住み続ける以上、とりあえず払うべきものとして、今までの賃料は払いましょう。

払うべき賃料を支払わないと、家賃の滞納=債務不履行となります。

ただ、中には、「値上げした賃料の金額でなければ受け取らない」などと言ってくる場合があります。

この場合には、法務局で供託してください。

  • 賃料について納得ができない場合
  • 揉めてしまって決まらない場合
  • 大家さんが受け取りを拒否する場合

供託することで借主は家賃をきちんと支払っていると認められます。

供託する金額は、「相当と認められる家賃」であれば問題ありませんので、今までの賃料を供託すれば、滞納にはなりません。

賃料の値上げについて大家さんと話し合うにしても、きちんと債務のない(滞納のない)状態でないと、対等に話し合いをすることもできなくなります。

ですから、以下の場合で、契約を更新してそのまま住み続けたい方も、同様に供託してください。


「家賃の値上げに同意しない場合は、更新されないと書かれている」

「家賃の値上げに同意できない場合には、契約期間終了日までに明け渡せと言われた」


どんな理由があろうと、払うなり供託する必要があります。

なお、払うべきものを払っていれさえすれば、上記のような大家さんの主張に従う必要はありませんし、法的にも応じる必要はありません。

賃貸借契約書で同様の内容が規定されていたとしても、従う必要はありません。

なぜなら、契約満了時までに、何らかの理由によって契約更新ができなかった場合には、自動的に「法定更新」というものになるからです。

法定更新とは、大家さんとの間で契約更新ができなかったとしても、法律によって自動的に更新されたとみなされます。

この法定更新は、家賃を含めた基本的な契約内容は以前のままで更新されます。

一つだけ、異なる点が契約期間です。

法定更新がされると、契約期間の定めはないものとされます。

特約等で、「法定更新はされない」などとされていても関係ありません。

法定更新は、借主さんをかなり手厚く守る法律なんです。

話し合いでまとまらない場合には?

大家さんとの話し合いや相談がこじれてしまうと、話し合いでの解決は難しくなります。

その場合には、引っ越しを考えるか、法的手段または専門家のサポートによる解決を検討するしかなくないでしょう。

まずは、無料相談を活用して、専門家のアドバイスを受けてみてください。

交渉だけや内容証明郵便による通知を出してもらうようにお願いするという方法もあります。

専門家が入ることで、すぐに解決する場合もよくありますので、相談だけでもしておくといいでしょう。

また、賃料トラブルは、簡易裁判所で民事調停の申立てをすることができます。

調停ですので、手続きも難しくなく、自分でおこなうことができます。

ただし、民事調停で解決が出来ない場合には、訴訟となります。

ここまでくると、さすがに住み続けにくい状態となりますので、引っ越した方が無難ですね。

まとめ

賃料は、大家さんと借主との話し合いや交渉によって決まるのが一般的ですが、場合によっては突然、値上げ請求をされることもあります。

賃料の値上げはいつでもできますし、請求すること自体は大家さんの都合でも問題ありません。

しかし、それが認められるのは、借地借家法に規定されている条件をクリアしている場合だけです。

ですから、不当な値上げの場合には従う必要はありません。

正当な値上げであっても、必ず従わなくてはいけないということでもありません。

ただし、納得が出来ないからと言って、「家賃を支払わない」というのはNGです。

滞納すれば、債務不履行となり、大家さんと対等な話し合いができなくなります。

解決するまでは、以前の賃料を滞納することなく支払うなり、または供託することを忘れずにしてください。

トラブルになってしまった場合や分からないことがある場合には、専門家の意見を聞いておくといいでしょう。

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