リースバックで生活環境を変えずに住宅ローン問題を解決方法

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家の前で泣いている子ども住宅ローンを滞納し、家を手放さないといけない状況になってしまった。

『子供転校させたくない。仲の良い友達と一緒に卒業させてあげたい』

『病気がちな親。住み慣れたこの家で最後を迎えさせてあげたい』

このように、住宅ローン滞納で売却するしかない状況とはなっているものの、今の家に住み続けたい特別な事情がある方!

「リースバック」という方法をご存知でしょうか?

この方法は、「不動産を売却する」という点では任意売却と同様です。

売却したその家に「これまで通り住み続けることができる」のが大きな違いです

しかしこの方法は誰がも必ずできる方法ではありません。

リースバックの条件や方法を説明していきます。

自分は条件に該当するかを確認してみてください。

リースバックとは?親子間売買とは?

リースバックというのは(親子間売買も同様です)、基本的には任意売却になります。

任意売却(任売)とは、ローン債務が残っている状態で返済が出来ない場合、自宅を債権者と話し合いながら売却することです。

通常の売却とは異なる点としては、ローン支払い中のため、債権者によって抵当権が設定されている=「売るには債権者の承諾が必要」ということです。

なお、通常の場合、所有者の自由な意思によって売却が可能となります。

そして、競売という売却方法もありますが、競売は裁判所の手続きで進められるもので、裁判所が販売主になり、競売物件だけを扱う市場(裁判所が管轄する市場)で売却されます。

競売と任売で大きく異なる点としては、売却価格です。

一般的には、通常の市場で2000万円で売れる物件があるとしたら、任売ではよくて1800万円、競売ではよくて1400万円程度という感じになります。

この売却価格の違いが任売と競売の主な違いですが、ローン債務を少しでも減らすためには任意売却をした方がいいことになります。

そして、リースバックも、基本的には一般の不動産物件として売却してローン債務を減らすことになります。

自分が所有者ではなくなる点でも同様です。

ですが、売却後が異なります。

購入者(新所有者)との間で賃貸借契約を結び、賃料を払う事でその家に今までと同様にそのまま住み続けることができるシステムがリースバックなのです。

つまり、新しい所有者は、購入するものの自分では住みません。

この方法を知らない人にしてみると、


そのまま住み続けていい条件で買ってくれる人が、本当にいるの?

「そのまま住むことを銀行に知られたらまずいんじゃないの?」


などの疑問が出るかと思います。

このような条件で購入する方というのは、個人投資家や業者、親や親せきとなります。

また、債権者に対しては、あくまでも「任意売却」を提案するに留まります。

債権者に対しては、「リースバックする」なんてことは言いませんし、言う必要もないのです。

ですから、債権者には任意売却を認めてもらえればそれでいいのです。

「銀行には内緒にしておくことになるの?」

あまり大きい声では言えませんが、内緒です。
というのも、債権者にとっては面白い話ではありません。

ちょっと以下を見てください。

債権者との交渉と進め方

例えば、ローン滞納物件が市場価格だと1200万円で売れる物件だったとします。

債権者に対しては、任意売却で1000万円で買いたいという購入希望者が現れたことを伝えます。
(この購入希望者は、買った後に住み続けることを了承している親や親せき、投資家や業者になりますから、市場価格よりも安く買うことを求めています)

債権者としては、任意売却(任売)で1000万円で売ることが妥当かどうかを判断することになります。

通常、任売だと市場価格の1割引きくらいの1080万円で売ることが出来れば上出来となりますから、1000万円という価格は検討する余地が十分にあります。

なお、これが任売ではなく競売となれば、市場価格よりも3割引きの840万円くらいになるのが一般的です。

ここまでを整理すると、市場価格1200万円の物件を、


①1000万円で買いたい人という人に売るか?

②任売市場に出して1080万円で売れる可能性にかけるか?

③競売で840万円で売るか?


債権者はこの③つから選択をすることになります。

債権者としては、①の購入希望者の希望価格は任意売却市場よりも80万円程度低くなるものの、必ずしも任売市場で1080万円で売れるという保証はないのですから、①の価格は譲歩できる範囲内の金額となりますよね。

債権者によっては相手にしてくれない場合もありますが、受け入れてくれる債権者も結構いるのが実情です。

特に、既に競売を考えているような債権者であれば、
「良くても840万円くらいでしか売れない、その中から裁判費用や税金も支払わなければならない、たいして回収ができない」という事を覚悟しています。

少しでも回収できる方を選ぶのが普通ですから、①の条件に応じてくれる可能性は高くなります。

このように、結果的には市場価格どころか任意売却価格よりも低い金額の①の条件で承諾してもらえるように交渉し、承諾してもらってこそ投資家も納得してリースバックは成立するのです。

買主と賃貸借契約をすることになるのは、債権者との交渉や売却手続きが終わった(所有権が移動した)後です。

身内が「1円でも安く買おうとしている」ことを銀行が知ったらどうでしょうか?

当然銀行からしてみれば面白い話ではないですよね。

1000万円という金額で任売することを承諾してくれなくなることも考えられます。

大きな声では言えませんがあえて伝える必要はないのです。

リースバックを成功させるためには、このように債権者側の気持ちも配慮しながらこの手続きを進める必要があります。

だからこそ、知り尽くしている専門業者が必要になるのです。

一度手放した家を買い戻せる可能性もある!

この解決方法では、住み続けられる以外にももう一点、メリットとなる点があるのです。

それが「将来的に買い戻せる可能性がある」ことです。

購入者が親せきや親であれば、「そういう話もあるだろう」と容易に理解できるかと思いますが、購入者が業者や投資家であってもそれが出来るんです。

というのも、投資家や業者としては、買い戻してもらったほうがいいのです。

むしろ、投資家がリースバック案件に乗ってくれるには、ローンの滞納をして売却する方が「再起して物件を買い戻せる可能性がある」かどうかがカギになるのです。

投資家や業者にとってこのような物件を購入する意味は、買い戻しの際の売却益が利益となるからです。

債務者の「住み続けたい」と、購入者の「利益を得たい」が合致することで成立するのがリースバックとなります。

親子間売買とは?

親子間売買も、基本的には任意売却のことです。

購入者が投資家や業者ではなく、親(子)などになるだけです。

ただ、親子間売買の場合は、債権者には「その後債務者がそのまま住み続ける」ということがばれてしまいます。

とはいえ、任意売却市場と同等の価格で売れるのであれば、回収できることに変わりはないのでそれほど問題にはなりません。

関連ページ:任意売却とは住宅ローンを払えない場合の解決方法

中には、親子間売買という事で、

税金対策に使われるんじゃないか?公正な取引ではないのでは?
などと問題視をして慎重になる債権者もいるかもしれませんが、「仲介業者を通した公正な取引(売買契約)」であればクリアできます。

また、専門業者の話の進め方次第でクリアできます。

なお、親(子供)が買い受けてくれる意思はあるものの、売却金額全額を用意できない場合。

ローンを組むこともできますので、すぐに諦めないでください。

やはり、親子間売買をスムーズに進めるためには、交渉術やノウハウが必須です。

専門業者に相談することをオススメします。

賃貸料はどうやって決まるの?

さて、この方法では売却後に賃貸借契約を結ぶことになり、賃料が発生することになります。

「いったい賃料はいくらになるのか?」不安になりますよね。

親子間売買であれば「賃料0円」「賃料1万円」などといくらでも融通はききます。親子間で任意に決めていただく形が一般的です。

しかし、投資家や業者が購入して大家さんになる場合・・・。

それほど心配されなくて大丈夫です!

賃貸料はローンの支払い額よりも低い金額で貸し出してくれます。

滞納されていた方の事情を考慮してくれることも一つですが、投資家や業者としては、先ほども説明した通り、買い戻しをしてくれるのであれば家賃が低額でも不利益にはならないのです。

一方、いつまでも「買い戻しをしてくれない」ということになれば不利益になります。

それを回避するために、売却後5~10年ごくらいをめどとして、「その期間のうちの賃料は低額とするが、期間経過後に買い戻すことができなければ一般の相場で貸す」という契約内容にすることもあります。

また、当初は買い戻しをすると言っていた債務者も、「5年後には買い戻しをする意思が無くなり他へ引っ越す」というケースもあります。

このような場合には、投資家は「転売して利益を確定する」などのリスク回避をすることもします。

投資家もわざわざそういう物件を購入するわけですから、無理な金額を賃料にするような事はありませんが、当然利益を求めて購入する点は知っておくべきですね。

よって、

・家賃の滞納

・買い戻しをしない

というようなことになれば、格安な賃料の設定はしませんし、家賃を滞納した場合には「即解約」ということになります。

売却後に購入者と結ぶ賃貸借契約には、このような内容も入っていることが一般的となります。

専門業者に頼んでこそできる解決方法!

任意売却もそうですが、ここで説明した解決方法も、債務者自身が自分でできるようなものではありません。

詳しくは、任意売却で説明していますので参考にしてください。

もちろん、親や親せきが買い取ってくれる場合の親子間売買も、基本的には任意売却ですので専門業者は必要です。

ましてや、業者に頼まず個人で探すなんて・・・非現実的な話です。

個人投資家を探すには、不動産投資セミナーや個人投資家を対象にしたセミナーを主催しているような会社へのコネが必要です。

これは専門業者を探す時も同じです。

個人投資家に対して情報を発信したり、実際にセミナーを開いている業者、もしくはセミナーなどを主催している専門業者とのつながりがあるような業者を選ばないといけません。

このようなコネ(ネットワーク)を持っていない業者では、個人投資家を探してきて購入を持ち掛けるのは難しいと言えます。

専門業者が必須だといいましたが、疑わしい業者も多くいるため、上記のような事に注意して業者選びをしてください。

業者が購入者となってくれる専門業者もある

個人投資家ではなく、業者が購入者として買取をしてくれて、賃貸借契約をしてくれる業者もあります。

この場合も、将来的に買い戻すことが可能ですし、買い戻しを前提としています。

このような業者に買い取ってもらうことが可能なら、わざわざ個人投資家を探すこともないので、スムーズに事が進められるかと思います。

ただし、現状でこれをやっている業者はかなり少ないところです。

参考までに探してみるといいでしょう。

まとめ

住宅ローン問題をこの方法で解決する一番のメリットは、引越さなくていいことです。

次に、自分が住み慣れた家を買い戻せる可能性があることです。

特別な事情で住み続けたいという方であれば、できる可能性を探ってみるのもいいですが、この方法での解決を望まれたとしても、100%の確率で誰もが出来るものではありません。

ですから、手放さないといけない状況で、その家に住み続けることを優先させてはいけません。

基本的には、ローンを滞納して支払えない状況になったら、「任意売却して債務を減らす」ことを優先するべきですし、「住み続ける」ことを諦めて解決を図ってください。

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