不当解雇について相談をしたい方必見!自分の場合はどうなるの?

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解雇と言われ泣いている「協調性がなく、態度が悪い」を理由に解雇・・・

「これ以上面倒みれない」長期欠勤していたら解雇を告げられた・・・

「業績悪化で人員削減」を理由にリストラされてしまった・・・

「何度か事務手続きの処理ミスをした」と解雇を言い渡された・・・

「社内で事実もない不倫の噂」により退職してほしいと言われた・・・

「職務能力不足」を理由に解雇だと言われた・・・

「退職勧奨に応じない場合は解雇する」と言われてしまった・・・

このような事を会社から言われたら、


「会社に損害を与えたわけでもないのに納得がいかない」

「ただ黙って辞めるのはいや」

「仕事が突然なくなるのは困る」


などと不満に思うはずです。

会社側は、労働者を「解雇してはいけない」という理由は特にありませんが、問題となるのはそれが正当な解雇かどうかです。

不当解雇であれば、会社の言いなりになり、泣き寝入りするなんて納得できませんね。

会社に対して、不当な解雇だと請求するべきです。

しかし、中には、「不当解雇だと思うのだけどどうなんだろう・・・」と、判断できない方もいるでしょう。

そもそも自分の場合が、

解雇なのか?

不当解雇なのか?

判断ができない人もいるかと思います。

そこで、正当な解雇と不当解雇になる場合は何が違うのか?について、説明していきます。

また、実際に不当解雇を迫られた場合にはどうしたら良いのか?についても説明もしていきますので、ぜひ参考にしてください。

不当解雇か妥当なリストラか分からない場合

初めに注意してほしいことがあります。

自分のケースが不当解雇なのか、どちらか分からない場合には、自分から退職届を出してはいけません。

退職届を出してしまえば、解雇ではなくなり、「自己都合」による退職になります。

「退職に合意した」と解釈されます。

後々、不当解雇として争う場合に、「解雇」されたという事実を証明するのが、かなり面倒になってしまいます。

退職届を出せと言われても、従う必要もなければ、辞めなくてはいけない義務もありません。

辞めたくないなら、退職届を提出する必要はないのです。

不当解雇の見分け方

不当な解雇なのか?を見分けるためには、

「使用者はどんな場合に解雇できるのか」

を知らないといけません。

解雇の種類には、以下の3つがあります。

普通解雇 会社の就業規則に解雇事由があり、その要件を満たしている場合の解雇のことです。
整理解雇(リストラ 不況による経営不振、経営悪化などによって、人件費を削減するためにおこなう人員カットのことです。
懲戒解雇 労働者が勤務する会社や取引先などに対して、重大な問題(職務規定違反など)を起こした場合や、刑事的処罰を受けた場合の解雇です。

では、この3つの解雇はどこまでが正当な解雇として認められるのか?

どこまでが解雇として認められるのか? 普通解雇が認められる場合

○ 長期間の労務提供不能を理由とした解雇
労働者が、仕事とは関係なく病気やケガをしたことによって仕事ができず、復帰できるまでの期間も予測できない程、長い期間を要する場合。

○ 勤務態度不良・適格性の欠如を理由とした解雇
勤務態度が悪く、繰り返し注意をしたり、何度も指導をしてもよくならない場合。

○ 著しい能力不足を理由とした解雇
個別に指導したり、研修等を繰り返し行っても向上する見込みがない場合。

○ 重大な経歴詐称を理由とした解雇

・学歴詐称
 例えば、採用基準に大卒とあり、給与も卒歴によって異なる場合などで、高卒なのに大卒としていた場合など。

・職歴詐称
 それまで勤めていた会社の退職理由や勤務内容などを詐称していた場合など。

・犯罪歴詐称
 犯罪歴を隠すことによって採用され、前科の程度が重く、現状の勤務態度や勤務状況も悪いような場合など。
(前科の程度や職務状況によっては解雇にならない場合もある)

どこまでが解雇として認められるのか? 整理解雇(リストラ)が認められる場合

労働者をリストラするには、以下の①~④を満たした場合となります。

  • ①本当に人員整理をおこなう必要がある場合
  • ②リストラせずに済む方法を模索してもなお人員整理するしかなかった場合
  • ③リストラする人選が公平な(好き嫌いではない)場合
  • ④リストラ対象者に対して、説明及び協議を十分にした場合

どこまでが解雇として認められるのか? 懲戒解雇が認められる場合

・刑事事件(窃盗や横領、傷害など)となる行為をした場合

・賭博行為などをおこない、会社の規律や風紀を乱し、他の労働者に悪影響を与えた場合

・職務に必要とされる資格や免許について経歴を詐称した場合

・なんの理由もないのに2週間以上も無断欠勤し、会社からの連絡も無視した場合

・遅刻や早退が頻繁であり、いくら注意や減給等にしても改善する見込みのない場合

法律で禁止されている解雇

法律で解雇が禁止されている場合もあるので、続けて紹介していきます。

労働基準法で禁止している解雇 ・業務のうえで災害にあい、そのための療養期間中とその後の30日間
・産前産後に認められている休業期間中とその後の30日間
・労働基準監督署に相談したり、申告したことを理由とした場合
労働組合法で禁止されている解雇 ・労働組合の組合員になったことを理由にした場合
男女雇用機会均等法 ・性別を理由とした場合
・女性が結婚・妊娠・出産したことを理由にした場合
・産前産後に休みをとったことを理由にした場合
育児・介護休業法で禁止されている解雇 ・正当に育児休業をとることを理由にした場合
・正当に介護休業をとることを理由にした場合
・子の看護休暇の正当な申出や取得したことを理由にした場合

さて、解雇が認められる場合を一通り紹介しましたが、自分のケースが不当解雇にあたるかどうかの判断はできたでしょうか?

例をQ&A方式でまとめてみました。


IMG_4324「会社の就業規則に解雇事由がない場合の解雇は?」
IMG_4159「普通解雇は認められません。不当解雇となりますね」
IMG_4324「上司の気分やワンマン社長の勝手な理由による解雇は?」
IMG_4159「当然、不当解雇になります」
IMG_4324「1度や数回のちょっとしたミスや欠勤、遅刻等を理由とした解雇は?」
IMG_4159「認められません」

特に、懲戒解雇をするには、横領など相当なことをしていない限り認められません。

過去の判例でもそうなっています。

懲戒解雇が認められるようなことをしていないのに、「懲戒解雇する」なんて言われたら、不当解雇だと判断しましょう。

なお、どんな理由で解雇を告げられたのか分からない方は、会社に対して解雇理由書の交付を求めてくださいね。

解雇理由証明書を交付してくれない場合の対処法

解雇を告げられた時、一番初めにやることとしては、会社から解雇理由証明書を交付してもらうことです。

会社から交付されない場合は、自分で会社に対して請求してください。

この証明書は、後々転職する際や裁判で争う場合にはとても重要なものとなります。

労働基準法第22条でも、

「労働者が請求した場合には交付すること」

と、会社に義務付けています。

請求があったにも関わらず交付しなければ、労基法違反になります。

この場合には、「労働基準監督署に申告します」などと言うと、すぐに対応してくれるでしょう。

ただ、それでも交付してくれない場合には、労基署に申告してください。

労基署は、会社に対して強制的に交付させることもできます。

手続きがおかしい!正当な解雇と言えるためには予告や手当が必要

使用者は、正当な解雇であっても、解雇までのステップをきちんと踏んでない場合には、解雇権を濫用したことになります。

使用者が労働者を解雇をする場合には、労働基準法20条1項で、

契約終了の「少なくとも30日前には解雇の予告をすること」又は、「三十日分以上の平均賃金を支払うこと」

と定められています。

つまり、契約終了の30日以内の予告であっても、使用者は労働者に対して、「三十日分以上の平均賃金(解雇予告手当)」を支払えば、解雇は正当なものとなります。

逆に、契約終了の30日前に予告しなかったのに、解雇予告手当も支払っていない場合には、解雇権の濫用となります。

その解雇は無効です。

なお、予告日数(30日)については、不足する日数分の予告手当(平均賃金)を支払うことでも、予告日数を短縮できることになっています。

例えば、契約終了の25日前に予告した場合なら、5日分の解雇予告手当を支払っていれば、問題となりません。

これを参考にしていただき、解雇権の濫用になっているようであれば、解雇の無効を訴えるか、解雇予告手当の請求をしましょう。

自分で判断できない場合

不当な解雇かどうか?

自分での判断が難しい場合には、労働問題につよい弁護士に相談してみるといいでしょう。

不当解雇かどうかを労基署に相談しても、労基署は答えられません。

労基署は「不当解雇」かどうかを判断および決定できる機関ではないからです。

最終的に不当解雇かどうかを決定するのは、裁判所です。

そのため、相談するなら労務問題に強い弁護士となります。

無料で相談を受けている弁護士も多くいますので、活用するといいでしょう。

退職勧奨と諭旨解雇は解雇とは別物です

解雇、退職勧奨、諭旨解雇の違いを知らないことから、勘違いされていたり、会社に騙されてしまう人がいます。

まず、「退職届をだせ」と言われた場合、それは解雇ではありません。

退職届を提出する場合には、諭旨解雇または退職勧奨となります。

諭旨解雇とは?

諭旨解雇とは、そもそも解雇ではなく、退職扱いになります。

これは、労働者が横領や不正をして会社に大きな損害を与えた場合や、犯罪を犯した場合にされる懲戒解雇の軽いバージョンです。

労働者が懲戒解雇してもいいレベルのことをした・・・

または、懲戒解雇に相当するようなことをした・・・

このような場合、本来なら使用者は懲戒解雇にもできます。

しかし、「懲戒解雇ではなく諭旨解雇にしてあげよう」というように、使用者側は労働者に対して配慮することもできます。

この配慮によってされるのが、諭旨解雇です。

つまり、犯罪や不正、会社に大きな損害を与えてないにも関わらず、諭旨解雇にされることはありません。

何も知らずに諭旨解雇を受け入れ、退職届なんて出したら面倒なことになります。

退職理由には「諭旨解雇」と書かれてしまいますから、転職する際に、面接官や再就職先の人には「何か犯罪を犯したのか?、不正をしたのではないか?」などと思われてしまうのです。

また、諭旨解雇は、「一身上の都合による退社」となります。

失業保険の給付がすぐに受けられなくなります。

普通解雇や整理解雇の違いを知っておかないと、使用者側の都合のいいように騙されてしまうこともあります。

注意してくださいね。

退職勧奨とは?

退職勧奨とは、会社都合の解雇とは全くの別物です。

これは、「労働者の同意を得ること」で退職が成立します。

退職勧奨をされても、それを受け入れるかどうかは労働者次第です。

よって、「退職届を出してほしい」と言われた場合、それは解雇ではなく退職勧奨となります。

不当解雇の問題にはなりません。

これを知らずに、解雇だと思い退職届を出してしまうと、「退職勧奨を受け入れた」とされます。

「自主退職」として扱われてしまうので、注意してください。

解雇なのか退職勧奨なのか分からない場合には、使用者にきちんと確認をしてください。

なお、労働者が法律にうといことを利用して、使用者は退職を勧めてくることもあります。

正当な解雇理由であるかのように見せかけて、退職勧奨や諭旨解雇で退職を求めてくるんです。

なぜなら、使用者側が解雇をするには、それなりに厳しい用件があり、労働者が自主退職をしてくれたほうが楽だからです。

どちらの場合にも、使用者側にはリスクがない辞めさせ方だと言えます。

このような理由で退職を求めてきた場合には、もはやそれは不当解雇だと言えます。

言われたままに従うのではなく、それなりの対策を練るべきです。

不当解雇の場合の対処方法

不当解雇として使用者を相手に異議をとなえる場合、その会社に残るのか?

それとも辞めるのかを先に考えておく必要があります。

中には、「そのまま残りたい」という人もいるかと思いますが、無理に残ることを考えない方が良いと思います。

不当解雇だとして自分の主張をするわけですから、会社に残れても、会社や上司からの見る目は変わり、立場は悪くなります。

重要ではない暇な部署や職務に回されたり、転勤を命じてくるなど・・・。

違法とは言えない程度の嫌がらせをしてくる可能性は十分にあります。

会社に 残ったとしても、結果的には会社にいることが辛くなると思います。

様々な事情から、「転職をしたくない、会社に残りたい」などの気持ちも分かります。

しかし、現実的には、解雇や退職勧奨を言い渡された会社に「残りたい」というのは、かなりの覚悟が必要です。

無理に残るという選択はやめた方がいいでしょう。

むしろ、不当解雇をするような会社なんて「辞めてやる」という覚悟を決めた方がいいですよ。

そのうえで、会社に不当解雇であることを認めさせ、金銭による補償を得て、キッパリ辞める!

残るよりも辞める選択をしたほうがよいと思います。

不当解雇を認めさせて金銭的な補償を請求しよう

金銭の補償には、

①会社の不法行為に対する慰謝料

②決着までにかかる賃金(給料)請求

2種類があります。

①より②の方が、金額的には多く受け取れる傾向です。

請求の手順としては、まずは自分で会社と交渉してみてください。

不当解雇であることを訴え、「転職活動のための相当期間として、半年分程度の給料相当額」を支払うことを請求してみましょう。

それに会社が応じない場合には、訴訟ではなく労働審判による解決を望むのが一般的です。

労働審判とは、あらゆる労働事件を扱う裁判です。

3回の審理で終わるのが通常で、普通の裁判よりも短い期間での解決が可能となります。

労働審判での解決率は、8割というデータもあります。

通常の裁判よりも、負担なく解決できるでしょう。

なお、3回の審理で決着がつかない場合には、裁判に移行することもできます。

労働審判の流れ

労働審判では、解雇撤回(復職)を求めるものの、現実的には、ほとんどのケースで復職ではなく「金銭和解」で解決することになります。

具体的には、以下のような感じで金銭の請求をおこないます。


・平成28年1月から本労働審判確定の日まで、平均賃金である毎月金○○万円(合計で約4~6カ月分が一般的)を支払え。

・労働審判の申立費用は、相手方(会社側)が負担するものとする。


これに対して相手方となる会社は、「答弁書」というもので反論してくるのが通常です。

相手の主な主張は以下のような感じです。

「請求を棄却する、本審判の申立費用は申立人(労働者)が負担するものとする」

このような答弁書が出てきたら、こちらとしては再度反論するために「準備書面」というものを作成して提出します。

書面のやり取りを終えると、審理に入ります。

労働審判は、法廷ではなく会議室のようなところで、口頭での審理が行われます。

時間は1回につき、2時間程度です。

1回目で争う点について整理をして、互いの主張をぶつけあいます。

あらかじめ提出してある訴状や準備書面も大事ですが、労働審判では、この1回目の審理でおこなわれる互いの口頭での主張が重要となっています。

裁判官に対して、どれだけこちらに有利な心証を与えられるか!

なお、裁判所としては、この1回目の際に、必ず「和解してはどうですか?」といって、和解案を提示してきます。

2回目も、1回目と同じような内容です。

ほとんどのケースでは、この2回目で和解によっての解決がされています。

なぜなら、1回目の際に裁判所から出された和解案ですが、裁判所が出した和解案を拒否するということは、その後の心証を悪くさせるからです。

双方、この和解案をもとに和解する流れとなるのが一般的なんです。

ただ、2回目までに和解が出来ない場合には、裁判所は3回目の審理で判断をくだします。

裁判所の判断に不服なら、通常裁判に移行するかどうかを検討することになります。

労働審判を起こす前に証拠を集めること

自分に有利に進めるためには、証拠はとても重要です。

例えば、解雇を告げられた際に言われた言葉などのメモ書き、会社とのやりとりや出勤日が分かる日記など・・・。

タイムカードがあれば、それも証拠として出します。

また、解雇理由の説明を求めた際にとった、録音テープなどもあると大きな証拠となりますね。

不当解雇を告げられた場合には、とにかくできるだけ証拠を集めてください。

まとめ

日本の法律では、そう簡単に解雇はできないようになっています。

労働者を守るためです。

中でも、能力不足や適正がないなどを理由にして解雇することは、かなり厳しく、裁判となれば認められるケースは少ないのです。

実際に、労働審判や裁判での結果も、全体的に見ると労働者に有利な判断ばかりです。

不当解雇の疑いが少しでもあるなら、簡単には受け入れず対策を練ったほうがいいでしょう。

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