【傷害事件の被害者】慰謝料請求の方法〜示談と調停・訴訟・損害賠償命令などの法的な手続きについて

この記事を読むのに必要な時間は約 3 分です。

傷害事件で被害を受けた方は、加害者に対して賠償請求することができます。

損害を請求する手段は、大きく分けると以下の2つです。

  • 当事者同士の話し合いで解決する示談交渉
  • 調停・訴訟・損害賠償命令などの法的な手続き

示談の場合、解決までの期間が短くすむうえに、手間もあまりかかりません。

ただし、事件の内容によっては、示談することで加害者が不起訴となる可能性や執行猶予付き判決となる可能性を高めてしまうことになります。

示談ではなく、法的な手続きはどうでしょうか。

示談とは異なり、不起訴となる手助けや刑を決める段階で手助けするような関与をしなくて済む、というメリットがあります。

一方で、解決までには時間がかかり、証拠等も被害者自身が用意する必要があるなど、負担が大きくなる一面も。

まずは、

太郎隊員

それぞれどのような手続きか?を知るべきです。

知ったうえで、どちらの手続きを選ぶべきか考えて行きましょう。

ここでは、受けた被害を請求する手段について説明していきますので参考にしてください。

なお、被害の大きさや事件の内容によって、様々なケースがあります。

素人判断では難しい場合やどのように賠償請求をしたら良いかわからない場合には、弁護士に相談だけでもしてみてください。

示談交渉と法的手段のどちらを選ぶべき?加害者に対しての賠償請求の方法

受けた被害の請求方法は大きく分けて示談か法的手段の2つですが、法的手段についてはいくつかの方法があります。

それぞれについて、メリットやデメリットなどを説明していきます。

示談交渉!示談で解決する場合の注意とポイント

示談とは

当人同士(代理人弁護士)で被害についての話し合いを行い、損害金についてなどを決めて解決を図る方法です。

裁判のように、ややこしい手続きや解決までの期間が長期になることもなく賠償してもらえる、というメリットがあります。

ただし、示談で解決する場合、注意しなければならないことがいくつかあります。

①示談金の支払いをもって賠償が終わってしまう

通常、示談では示談金の支払いがおこなわれます。

重要

示談金を受け取った時点で、賠償は完了です。

示談成立後に「補償が足りない」といってもやり直すことは、原則できません。

示談金の金額は慎重に決めるべきです。

事件や被害の内容によって一定の相場があるので、確認しておきましょう。

また、示談金だけでなく、その後の補償についてもよく話し合う必要があります。

素人判断では難しいこともあるため、示談交渉前には弁護士のアドバイスを受けておくといいでしょう。

②示談することで加害者の処罰を軽くしてしまうことが多い

傷害事件の示談交渉では、示談内容の中で「被害届の取り下げ」を要求されることがよくあります。

加害者は示談することで、自身の罪が軽くなったり、不起訴となる可能性が高くなるのです。

同様の理由から、加害者側から示談を申し入れてくる場合もあります。

加害者が処罰を受けることなく(不起訴)となって事件が終わる可能性があることを知ったうえで、よく考えてから決めてください。

また、示談する場合には、後々になって後悔しないように、示談内容を慎重に判断しましょう。

示談を受けるべきか断るべきか、判断する場合の観点については、以下のページにも詳しく説明してありますので参照してください。

参考ページ:「加害者側弁護士から示談の申し入れが!被害者の方の示談について」

示談だけが解決手段ではない!調停や訴訟など法的な手続での賠償請求

示談は、時間をかけることなく解決することができます。

しかし、加害者にとっては、「処罰が軽くなったり不起訴の可能性も高くなる」などのメリットがあります。

「加害者にメリットがあるような示談は受けたくない!」と思う被害者の方もいることでしょう。

示談を受ける受けないは、被害者が選択することができます。

無理に示談しなくても、損害を賠償してもらう方法は他にもあります。

示談以外での法的な手続きによる賠償請求の方法は主に4つです。

4つの主な方法

  1. 調停
  2. 訴訟
  3. 損害賠償命令
  4. 刑事和解

それぞれの法的手段について詳しく説明していきます。

①調停とは?

調停とは

裁判官(もしくは、調停官)と、調停委員が間には入りますが、当事者同士の話し合いで解決を目指すものです。

メリット

法的手段の中では費用があまりかからないという点です。

必ずしも弁護士を雇う必要がないので、一人でも手続きを進めることができます。

調停が無事に成立した場合、その内容は裁判でくだされた判決と同じくらいの強制力があります。

デメリット

不成立となることもある、ということです。

調停は話合いをおこなう場のため、相手がいて初めて成立するものです。

加害者が調停を欠席しても出席を強制することはできないため、調停をおこなうことはできません。

結果、解決に至らない場合もあります。

また、調停をおこなう日程は、裁判所が決めます。

自分の都合で日程を決めることはできません。

示談より解決までには時間がかかります。

注意

また、無事に話し合いが進められたとしても、相手が納得しなければ不成立となり、結果的に何の成果も得られない場合もあります。

その場合には、さらに別の手段での解決を目指すことになります。

②訴訟とは?

訴訟とは

裁判所へ訴えを出し、裁判官に審理してもらう手続きです。

裁判所は、提出された証拠に基づいて判断します。

調停と違い、加害者が裁判にこなかった場合でも不成立とはなりません。

加害者が出てこなかった場合には、「訴えられた内容に不服がない」と判断したと裁判官に受け止められます。

結果、被害者の言い分がそのまま認められる可能性は高いでしょう。

デメリット

専門知識が必要となります。

損害について証明する証拠についても、被害者が集めなくてはなりません。

参考

素人では難しく、弁護士をつけるべきです。

また、賠償額も裁判官が決めるため、被害者の希望通りにはなりません。

これまでの判例から妥当と思われる金額となるのが一般的です。

③損害賠償命令とは?

損害賠償命令とは

刑事裁判で判決が言い渡されたあと、引き続き損害賠償について民事裁判をおこなう手続きです。

刑事裁判の時と同じ裁判官が審理をおこない、証拠も刑事裁判で使われたものがそのまま用いられます。
(証拠は自分で集めて追加することも可能です)

メリット

通常の民事裁判より手間がかからず、「短い期間で解決できる」というメリットがあります。

また、通常の民事裁判だと賠償額によって手数料がかかりますが、損害賠償命令の場合には一律で2000円と決まっているため、無駄な費用がかかりません。

被害者にとっては、利用しやすい手続きです。

加害者が命令を受け入れた場合、判決と同じ強制力があります。

ただし、利用できる事件には制限があり、誰でも利用できるわけではありません。
(殺人、傷害、強姦、誘拐など重大な犯罪で利用できます)

また、加害者が不服を申し立てる場合もあります。

加害者側が不服を申し立てた場合は、通常の民事裁判をおこなうことになるため、必ずしも賠償が補償されるとは言い切れない点はおさえておきましょう。

④刑事和解とは?

刑事裁判とは

別に示談(当事者同士の話し合い)による解決が図られることがあります。

お互いが合意し、示談が成立した場合、和解書(示談書)を裁判官に提出することで、その内容を「公判調書(審理する時に重要な内容として扱われます)」に記載してもらうことができます。

刑事和解が通常の示談と異なる点は、強制力です。

例えば、通常の示談で「分割で支払う」など、賠償の約束をしていたとしても、実際には払われないケースもあります。

この場合、通常の示談では差し押さえなどをして強制的に支払わせることはできません。

加害者が支払いをしない場合、新たに民事裁判をおこし、勝訴の判決を勝ち取る必要があります。

その上で、ようやく差し押さえをおこなう許可をもらうことができます。

一方、刑事和解をした場合、裁判で判決を下された時と同じくらいの強制力があるため、無駄な手続きをすることなく差し押さえをして回収が可能になるのです。

ただし、メリットばかりではありません。

デメリット

刑事和解を検討する場合、以下のことに注意しておきましょう。

太郎隊員

「和解」という言葉からも想像できますが、裁判官に対して事件が解決に近づいている印象を与えます。

処罰を決める際、軽減されたり執行猶予がつくなど、加害者に有利にはたらく可能性があります。

加害者の処罰が軽くなることに納得がいかない場合、和解に応じる必要はありません。

その他の方法(民事裁判で損害賠償請求)で賠償請求をおこなえばよいからです。

民事裁判をする場合の注意点〜弁護士を活用することでリスクを回避する

民事裁判で損害賠償請求をする場合、被害者本人が訴えをおこすことになります。

訴状には、自分の住所などを書く必要があり、当然、加害者にも住所を知られることに。

加害者に自分の連絡先を知られてしまうことに不安を感じる方も多いでしょう。

重要

そのような場合、弁護士に代理人として訴えをおこしてもらいましょう。

連絡は全て弁護士を通すことになるため安心です。

また、裁判で無事に勝訴となり賠償の支払いが決定した場合であっても、加害者から支払いがおこなわれないケースもあります。

たとえば加害者が以下のような状況であった場合

  • 加害者が実刑判決を受けて支払うことが困難なケース
  • 加害者が経済的に賠償金を支払うことが難しいケース

いくら裁判で支払い命令が出たとしても、支払う能力のない人からはとれません。

民事裁判で賠償請求する場合は、加害者が今どのような状況にあるかなども知ったうえで、手続きを選ぶ必要があります。

参考ページ:犯罪被害者のための相談窓口!悩みは弁護士に相談して解決

傷害事件で受けた被害の請求方法や解決方法は弁護士のアドバイスを受けた方が良いのか

  • 賠償請求では、どの方法を選んだ方がよいか?
  • 加害者は今、どのような状況なのか?

刑事事件では、専門的な判断や、相手の状況の把握が必要となります。

これは、素人では難しいものです。

まずは弁護士へ相談だけでもしておいた方がいいです。

個々のケースに応じて、最適な請求・解決方法についてのアドバイスや、注意しておくポイントを聞くことができます。

また、傷害事件での賠償請求では、様々な費用を請求することになります。

治療をした場合には、以下のような費用を請求できます。

  • 通院や入院にかかる費用
  • 治療のために働くことができなかった場合、その間の生活保障
  • 後遺症が残るような場合、今後の補償についての費用

請求できる費用はそれぞれのケースで異なります。

賠償請求できる費用項目についても具体的にアドバイスを受けておくべきです。

弁護士への相談料については、「初回の相談は無料!」というところも最近ではたくさんあります。

費用をかけずに必要な情報を教えてもらうことができますので、検討してみてください。

参考ページ:頼りになる専門家一覧はこちら

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