被害者も刑事裁判への参加が可能!被害者参加制度とは?

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基本的に刑事裁判は、

  1. 裁判官
  2. 検察官
  3. 被告人
  4. 弁護人

でおこなわれています。

平成20年より、被害者やご遺族なども参加できる制度が始まりました。

それまでは、被害者本人ができることといえば、裁判を見に行くことだけ。

どんなに伝えたいことがあったとしても、裁判で意見をいうことはできませんでした。

この制度を使用して参加するかしないかは、被害者が自由に決められます。

ただし、利用するには制限があり、誰でも参加できるというわけではありません。

最近ニュースなどで耳にすることもある「被害者参加制度」ですが、ご存知ない方もおられるかと思います。

詳しく説明していきますので、参考にしてください。

被害者も当事者として刑事裁判に参加できるように!

「被害者参加制度」(平成20年)が始まり、被害者も刑事裁判に直接かかわることができるようになりました。

これまで、傍聴席でみることしかできず、

A さん
自分の悲しみや怒りを裁判で伝えたい

B さん
適切な審理がおこなわれるよう裁判に直接関わりたい

このような気持ちを抱えていた被害者の希望を尊重した新しい制度です。

利用の手順

被害者が担当の検察官へ申し込む。
それを受けた検察官は裁判所へ通知。
この時、被害者が参加することに対しての検察官の考えも書面で添付。
それを受けた検察官は裁判所へ通知。
この時、被害者が参加することに対しての検察官の考えも書面で添付。
裁判所は、
・被害者側の意見
・事件の内容などさまざまなことを考慮したうえで許可するべきかどうかを決める。
裁判所の許しが出れば参加可能。

弁護士白書2016年版

制度が始まってから年々参加者は増え、平成27年には、1300名以上の被害者が参加されています。

実際に参加した場合にできること

  • 裁判に出席できる
    (検察官の隣に座ります)
  • 検察官が説明などをする時に、意見を言ったり、説明を求めることができる
  • 証人が被告人に有利となるような事情を証言しているときに、質問をすることができる
  • 被告人に直接質問できる
    (ただし、意見陳述の時に被告人の考えを尋ねる必要があったり、実際の行動を説明させる場合に限られます。)

    ※たとえば、「なぜそのようなことをしようと考えたのか?」、「被害者の気持ちを考えなかったのか?」などの質問を被告人に直接質問することができます

  • 証拠がだされた後に、事件や法律の適用について意見をいうことができる

ただし、利用できる事件には制限があります。

参加可能な事件

刑事訴訟法316条の33

  • 故意(わざと)での行動で人を死傷した事件
  • 強制わいせつや、強姦などの重い性犯罪事件
  • 身柄を拘束して自由を奪ったり、閉じ込めて自由を奪う事件罪
  • 未成年者を無理やり連れ去ったり、噓をついて連れ去る事件
  • 自動車を運転していて、過失(注意すれば防げた)によって人を死傷した事件
  • 上記にあげた事件を含む事件
  • 上記にあげた事件をおこそうと計画または実行したが未遂におわった事件

また、参加する方も以下に該当する方に限られています。

①被害者本人

本人が亡くなった場合や、やむを得ず参加することができない場合は、被害者の妻・夫、または直系の親族、もしくは兄弟姉妹

②被害者の法定代理人

・本人が20歳未満で、本人の親権をもっている方。

・本人が20歳未満で、新権をもつ方がいないため、かわりに本人のサポートをおこなっている方。

・自分で重要な判断をおこなうことが難しい成年のかわりに本人のサポートをおこなっている方。

③上記の①または②の方に委託を受けた弁護士

制度を利用して刑事裁判に参加するメリットとデメリット

被害者が刑事裁判に参加する場合、良い面もあれば、悪い面もあります。

どのようなメリットやデメリットがあるのか説明していきます。

メリット

重要

最大のメリットは、裁判で自分の考えを直接伝えられることです。

たとえば、検察官が発言している時に、自分の意見を添えることができます。

被害者としての望みを伝えたり、疑問がある場合

説明してもらうことができます。

加害者の反省や謝罪の気持ちが感じられない場合

「謝罪としてどのような行動をとってきたか?」

「反省していることをどのように証明するのか?」

などの質問を直接ぶつけることができます。

被告人本人の口から言わせることで、本当の気持ちを確認できます。

証人によって被告人が有利となる説明をしているときも質問をすることができます。

被害者本人が質問することで、被告人が有利となる流れをかえられる可能性も。

意見や質問によって犯罪の事実を裏付けることはできませんが、被害者の辛い感情を裁判官に伝えることができるのです。

また、検察官と同じように事実と法律にもとづいて、量刑に関する意見も言えます。

デメリット

デメリットは、被告人と同じ空間にいなければならないということです。

精神的ショックから立ち直れていない場合、犯人と対面するのは、たいへん辛いことだと思います。

たとえ仕切りなどで、直接、犯人と顔が見えない状況を作れたとしても、近くに犯人がいると思うだけで大きなストレスとなります。

時には、被告人から強い口調で質問されたり、怒鳴られたり、罵倒されたりすることも・・・。

余計に辛い思いをしてしまうことも覚悟しておかなくてはいけません。

太郎隊員
公判のある日に自力で裁判所へ出向かなくてはならないため、

体や心に傷を負っている場合、

とても負担となることも・・・。

被告人や証人に質問することはできます。

しかし、事前に裁判所の審査を受けるため、裁判所が必要ないと判断されてしまうと質問することはできません。

被害者参加旅費等支給制度の利用

裁判所へいくための交通費などに関しては、援助してくれる制度があります。

「被害者参加旅費等支給制度」といいます。

被害者の負担を減らすことを目的として始まりました。

裁判へいくための交通費と日当と遠方からこられる方の場合には宿泊費が支給されます。

ただし、実際に裁判に参加する時のみの支援です。

参加人であっても、傍聴だけの場合は支給されません。

また、支給金額の計算方法など、細かい規定があります。

詳しい内容は「法テラス」でご確認ください。

被害者代理人として弁護士を活用することもできる

刑事事件の被害者や家族が裁判に参加する場合、メリットがあるのと同時に大きな心理的負担もあります。

参加はしたいけど、精神的に耐えられそうもない場合、この制度では、代わりに弁護士が参加することもできます。

被害者が参加するのとかわりなく意見や質問をすることができます。

また、弁護人がいれば、裁判に参加する際に必要なサポートを受けることもできます。

例

A さん
どのような意見をするべき?

B さん
検察官とはどのようにやり取りしたらいいの?

刑事裁判のノウハウや効果的な主張をするためのアドバイス受けることができます。

弁護士をつけたいけど経済的に難しいという方には、国選弁護人を利用できる制度もあります。

ただし、利用するためには制限があるため、誰でも利用できるわけではありません。

参加する方の現金や貯金などの資産合計額が200万円より少なければ利用できます。
(200万円以上あった場合でも、裁判所が参加の申し込みを受けてから半年以内に事件が原因で使う予定のある分を引いて200万円より少なければOK)

国選の利用条件に該当しない場合には、私選弁護人を自分で探すことになります。

ただし、制度が始まってから日が浅いこともあり、経験のない弁護士も多くいます。

太郎隊員
インターネットで弁護士を探す場合

過去にどのような事件に関わっているのかをよく確認しましょう。

また一人に絞るまでに、何人かの弁護士に相談して、より自分にあった方を選んでください。

無料相談などを利用すれば、費用をかけずに選ぶことができます。

適格なサポートをしてくれる弁護士を見つけてください。

【参考ページ】
頼りになる専門家一覧はこちら

犯罪被害者のための相談窓口!悩みは弁護士に相談して解決

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